電気自動車・V2Gを巡る各国の動向に関する調査(アメリカ編)

エネルギー動向調査  ~ 電気自動車・V2Gを巡る各国の動向に関する調査(アメリカ編)  ~

[2010/08/02]    米国連邦エネルギー規制委員会FERC)は2009年3月19日、スマートグリッドの基準に関する政策方針および活動計画の提案書を発表した。電気自動車に関して同提案は、電力需要が低い時間帯にスマートグリッドによって充電できることを目指しているが、理想的には、スマートグリッドをV2GVehicle To Grid)技術に適応させ、電気自動車が、広範な分散型エネルギーの貯蔵システムとして使用されることを目指している。

また、米国エネルギー省は、2009年7月20日、「次世代送電網(スマートグリッド)システム報告書」を発表した。スマートグリッドを構成する20の要素を取り上げ、現時点での普及状況と今後の傾向を分析している。いずれの項目も現時点での普及度は、初期段階から中程度に留まるが、系統接続型分散型発電や蓄電、高機能型メーター(スマートメーター)などの普及は、今後、急速に進むとみられる。

こういった動きの中で米国は、2009年11月、中国との間において、再生可能エネルギー、エネルギー効率化、電気自動車利用の促進及び、クリーンエネルギー研究センターの立ち上げを目的とする共同イニシアティブを発表した。このイニシアティブでは、石油依存やGHG排出の削減のための電気自動車の幅広い普及に向けて、基準の共同開発(十数ヶ所の都市における実証プロジェクト、技術ロードマップ策定、市民啓蒙プロジェクト等)を行うことが謳われている。

他方、米国デラウェア州・ニューアーク市では、2009年1月12日、全米に先駆けて電気自動車による電力系統との連係実証(蓄電・電力供給)を許可した。現在、このデラウェア大学の研究者が中心となって開発したV2G電気自動車の場合、車庫等での停車中はプラグインをしている状態となるが、停車中の電気自動車のバッテリーを分散型の蓄電池として利用する構想のことである)のプロトタイプの実証実験には、同地域の電力会社、送電会社、電気自動車会社などが協力している。この他、カリォルニア州の電力会社PG&EがGoogle社と共にV2G技術を実証中である。

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