[2010/08/06] ケニアにおけるバイオマスエネルギーは、薪と木炭が9割以上を占める。これら以外では、トウモロコシのかす等の利用もある。これらのバイオマスエネルギーは、主に調理時の熱源として利用されている。薪や木炭の場合、購入する消費者も存在するが、農村部では、特に自宅周辺に自生している木から枝を切り取って利用している。この薪収集による環境破壊が近年の懸念点となっており、早急な解決が求められる。また、室内で調理を行う家庭においては、木材を熱するときに発生する煙が部屋に充満し、居住者の呼吸器官に悪影響を与えることが指摘されている。これは一般的に、IAP(Indoor Air Pollution)と呼ばれ、居住者の中でも特に乳幼児への影響が深刻であり、IAPによる死亡率が高いとも言われている。
そういった中ケニアでは、BOP(Bottom of Pyramid)層向けに販売されているスモークレス・バイオマスコンロといった商品がある。例えば、Kyoto Energy社が販売するKyoto Turboは、室内で薪を燃やしても、煙が室内に充満しないコンロであり、かつ、従来のカマドよりも燃焼効率が優れている。
他方、ケニアでは、昨今の干ばつによる水不足、森林の激減により、政府主導のもとに環境意識が高まり始め、従来とは異なるバイオマスエネルギーの利活用(薪や木炭以外)への意識へと変化してきているのも事実である。例えば、ケニアのエネルギー会社であるEnergy Kiosk社では、国際連合工業開発機関(UNIDO)によって行われているCommunity Power Centerプログラムにより、未電化コミュニティにおいて太陽光、小水力、バイオマス、風力等の再生可能エネルギーを利用したオフグリッド発電施設(発電所からの供給等、従来の送電系統に連携せず、山間部、畑、家庭の庭等に独立稼動する発電施設を設け発電を行う設備)を設置し、それによるエネルギー供給の可能性を実証するとともに、地場産業育成や住民への充電サービス提供による生活水準向上を目指した活動を行っている。
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対応言語 | 340 言語 |
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海外提携企業 | 421 社 |