[2011/07/01] 2011年、これまで世界経済を牽引してきた中国の経済成長には鈍化の兆候が見られ、米国やEUの経済も未だに本格的な回復基調には程遠い状況にある中で、新たな市場として注目されつつあるのがアフリカである。
現在9億人の消費者を擁するアフリカ市場には、コカ・コーラ、タタ、P&G、ノバルティス、LG電子など衣食住のニーズから金融、通信、メディアに至るまでは、世界各国から続々と企業や投資ファンドなどが進出している。サハラ以南のアフリカの中で注目されているのは鉱物資源が豊富な南アフリカや産油国のナイジェリアであるが、実は、中西部のギニア湾沿岸にも有望な国は存在する。
例えば、ガーナは、農業がGDPの3割以上を占める農業国であるが、政策や組織の整備、インフラや基本的サービスへの投資により、1992年には52%であった貧困率が2003年には35%にまで減少している。また、経済成長率を見ると2004年が5.8%、2005年は6%であり、2010年にも10%以上と高い成長率も見せている。ガーナのような成功例があることからも、西アフリカ諸国には高い経済成長の可能性があることがわかる。
アフリカの農業や食糧についてはFAO(国連食糧農業機関)をはじめとする国際機関や団体がコメなどの穀物の増産に力を入れている。アフリカの貧困が解消され、農産品の輸出国としての地位を確立することによって、アフリカ自身が巨大な消費市場として成長していくことが期待される。
このようにみると、現在は貧困層であるBOP層も将来的には、有望な消費者として期待できるのである。例えば、カメルーン、ベナンなど経済的に振るわない国々の農業従事者に対して、中古農業機材などを提供することは、将来的には十分に利益を回収できる可能性があるといえる。この意味で、アフリカの農業や食品産業は今後の投資先として高い注目を集めるべきなのである。
経済的な発展の後に、巨大市場へと変貌していく無限の可能性を秘めているアフリカにおいて、その基盤となる農業と食品産業には注目すべきといえる。
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