[2010/06/11] 新エネルギーの導入を推進するにあたり、電力系統の安定化が重要となっている。欧州でも、電力会社を主体にスマートグリッドやデジタル電力メーター(スマートメーター)を活用した利用者情報の入手と需要抑制が進みつつあり、また、スマートグリッドの実現に向けた将来への投資が着々と進みつつある。米国は高い競争力を誇るIT技術とエネルギー分野の融合を図るスマートグリッドを推進している。本レポートは、欧州主要国と新興国におけるスマートグリッド市場動向の概略を取りまとめている。
欧州においては、ドイツ、スペインの2カ国がこの市場を牽引している。 ドイツでは、風力や太陽光など、新エネルギーの開発実績が高く、また欧州の地域間を結ぶ相互連結グリッドや隔離されたグリッドにおける多極・分散電源を取り込むための新たな枠組みを推進するProject DISPOWERの事務局がある。また、Siemensをはじめとする有力企業も多い。一方のスペインは、風力発電の開発実績は世界トップクラスであり、太陽光発電にも積極的に取組んでいる。国内唯一の系統運用会社が、世界有数の電力系統制御を軌道に乗せている。また、Accionaをはじめとする新エネルギー関係の有力企業が世界有数の企業に成長している。
スマートグリッドの有望市場としては、新興国、特に中国とインド、が挙げられている。化石燃料による公害が深刻な中国では、新エネルギーの導入に熱心で、風力エネルギーの導入実績もあるが、更なる発展のためには再生可能エネルギーの開発や電力系統インフラの改善が必須である。ただし、送配電分野では外資の資本参加は認められておらず、設備・資材の販売、技術コンサルタントのみ可能である。 また、石炭火力発電が中心であるインドにおいても、環境問題は深刻である。急速な人口増加と経済成長でエネルギー需要が急増しており、今後、経済成長と環境問題を両立させるための電力革命、再生可能エネルギー開発や電力系統の近代化が必要となっている。 再生可能エネルギーの開発は活発に行っており、その使用量を2011年までに12.5%に引き上げる目標を掲げている。中国、インドともに超高電圧送電(UHV)シンポジウムの開催国となっており、このスマートグリッド分野への関心は高い。
海外業界レポート 『欧州と新興国におけるスマートグリッド市場動向』 ダウンロード
ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
---|---|
エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |