諸外国における原子力発電動向

環境・エネルギー分野  ~ 諸外国における原子力発電動向  ~

[2009/06/15]    現在のエネルギー問題は、エネルギー安全保障と地球環境の2つに大きく分けられている。エネルギー安全保障問題とは、アジアをはじめとする新興諸国のエネルギー需要の継続的上昇や石油価格の急激な変動、石油枯渇に代表されるエネルギー需給の問題であり、一方の地球環境問題とは、二酸化炭素による地球温暖化等の地球環境問題への意識が高まっているものの、再生可能エネルギーだけでは需要に対する十分な供給が見込めないという問題である。そこで、各国は原子力発電による解決を求め、原子力発電の動きが活発化している。このような原子力発電の再評価を「原子力ルネサンス」と呼んでいる。

現在、原子力については、2つの大きな流れがある。一つは、アジア欧州北米におけるエネルギー政策の見直し、原子力発電所開設の動きに代表される原子力の平和利用である。一方でイラン北朝鮮等の核兵器問題があり核拡散防止が深刻になっている。

現在、原子力発電に積極的に取り組んでいる国は世界中に広まっている。主な国としては、英国フランススペインドイツイタリアスウェーデンウクライナスイスロシア欧州各国、中東ではヨルダントルコUAEアフリカではエジプト南アフリカモロッコ、米州では米国カナダブラジルチリメキシコアジアにおいてはインドパキスタン中国ベトナム韓国インドネシア等である。ブラジルでは現在国内3基目の原子力発電所が建設中で、ブラジル原子力発電委員会(CNEN)は2030年までに6ヶ所の原子力発電所建設構想を立てている。また、チリにおいては現政権下で原子力発電のフィージビリティ調査を実施する予定で将来の原子力発電開設に向け準備を進めている。ウクライナではロシアへのエネルギー依存を避け自立的取組みを行っており、モロッコではフランスとの民生用原子力協力に合意した。このように多くの国・地域で原子力発電が政策的に推し進められている。

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