[2009/06/15] 近年、主に先進国において環境保全政策の重要性、必要性の認識が高まっている。環境保全への取り組みを効率的かつ効果的に推進するために、この環境保全に対する会計検査、監査、評価等が重要となっている。本レポートは、欧米の主要4か国(米国、英国、ドイツ、フランス)における、環境保全政策の概要や特徴およびその政策に対する会計検査の状況を簡単に取りまとめている。
米国では、環境保護庁(EPA)が環境保全政策を担当しており、その政策の特徴としては、地球温暖化防止、清潔で安全な水、土地の保存と修復などを目標として掲げている事である。この環境保全政策に対する会計検査は会計検査院(GAO)により行われており、EPAの管理体制強化、有害化学物質検査・管理体制強化、スーパーファンド指定地域の洗浄強化、などを管理項目、プログラムのリスクとして挙げている。また、EPAの監察総監(Inspector General)がEPA内の検査、捜査、監督を行っている。
英国では、環境庁(EA)が環境保全政策を担当しており、その戦略プランにおいて「人間と野生動物により良い場所を」という標語のもとに、気候変動、大気・土地・水の質向上、などを重点分野に掲げている。英国での環境保全政策に対する会計検査は会計検査院(NAO)により行われており、VFM(Value For Money)という報告を、環境関連プログラムを含む広範な分野で行っている。家庭でのエネルギー消費の減少、低炭素社会への促進、食品防御に関する政府の取り組み、等についての検査を行っている。
ドイツでの環境保全政策は、連邦環境庁(UBA)が担当している。この政策の特徴は2002年に採択した「ドイツの展望」という国としての持続可能性戦略である。この戦略には、世代を越えた正当性、生活の質、社会的結束、国際的な責任という項目を挙げることができる。重点分野としては、エネルギー・資源の生産性、温暖化防止、再生可能エネルギー等を挙げている。ドイツでの環境保全政策に対する会計検査は会計検査院(BRH)により行われており、財政管理上の業績や合規性を検証している。業績検査は、主に経済性、効率性、有効性の基準からGood Value が得られているかどうかが検査される。
フランスではエコロジー・エネルギー・持続可能開発・国土整備省が環境保全政策を担当しており、その政策の柱として「持続可能な発展」を掲げている。サルコジ大統領は、環境グルネル会議において、建物、輸送におけるエネルギー削減、再生可能エネルギーの促進、気候変動などの環境問題について発表した。フランスの環境保全政策に対する会計検査は、会計検査院(CDC)によって行われており、業績検査では、合規性、効率性、有効性に対する検査が同時に行われている。
海外業界レポート 『欧米主要国における環境保全政策とその会計検査実施状況』 ダウンロード
ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |