消費市場として注目されるアフリカ

消費市場として注目されるアフリカ

[2012/04/09]

先進国や中国、インドなどのBRICs諸国の経済が停滞する中で、アフリカに対する注目度が高まりつつある。これまでアフリカといえば、石油、天然ガスなどのエネルギー資源、金、プラチナ、銅、コバルトなどの鉱物資源の調達先として脚光を浴びてきていた。
 例えば、アルジェリア、リビア、チュニジア、スーダン、ナイジェリア、ガボンなどは石油や天然ガスが採掘され、金、銅、鉄鉱石やダイヤモンド、コバルトなどの鉱物資源については、南アフリカやザンビア、タンザニアなどが産地として知られている。

一方で、国内の経済政策がうまく軌道に乗り、対外債務などの返済に目途がついたアフリカ諸国は健全に成長し、新たな市場として期待されている。具体的には、アフリカの貿易と投資のうち大きなウエイトを占める南アフリカに加え、NEXT11にも挙げられているナイジェリア、エジプトなどは注目される存在である。また、資源国のうち経済政策が成功しているアンゴラ、ガボンなどは、天然資源の輸出による外貨獲得によって、国民の生活水準が上がってきており、消費市場としても期待できる存在となりつつある。

このような国では、途上国の経済モデルでは見られない中間層が出現し、これらをターゲットにしたサービス業、小売業なども成長しつつある。その一方で、2010年の時点でアフリカにおける人口300万人以上の都市の数は14都市であったが、2025年には23都市にまで増大するという調査結果も出ている。つまり、アフリカでは経済成長に伴う所得の向上による中間層による一定の贅沢品の消費と都市型消費が拡大すると考えられる。

これらの市場を目指して、化粧品のロレアル(仏)による南アフリカへの注力を表明し、ケニアにも子会社を設立する動きを見せている。また、ネスレ(スイス)はナイジェリアにおいて販売規模を拡大させる戦略を打ち出している。このようにアフリカにおけるいくつかの成長国は、海外の企業にとって魅力的な消費市場になりつつある。

他方で、これら成長国の周辺に位置する国にもビジネスチャンスは存在する。例えば、ガボンの隣国である農業国のカメルーンは、ガボンの中間層をターゲットにした加工食品を生産し、輸出を促進することが戦略として検討できる。日本企業にとって、このような産業の育成を支援するという面も、大きなビジネスチャンスであることには注目すべきである。

  

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