アフリカと食糧

アフリカと食糧

[2012/04/16]

一昔前のアフリカといえば、誰もが、人口増加、栄養失調、砂漠化、貧困を連想したであろう。これらの言葉をつなぐキーワードとなるのが、食糧不足であり、栄養失調による子供の衰弱や死亡率の高さが問題となってきた。それに拍車をかけるのが砂漠化である。

しかし、実際にはサブサハラ地域(サハラ砂漠以南のアフリカ)では農業が盛んで、農業がGDPの半分以上を占める農業国は多く、食糧を豊富に生産している国も多数みられる。問題なのは、これらの農業国における食糧生産性が必ずしも高くないことである。これらの国で食糧の生産性が伸びない理由として、病害虫の被害や農業機械導入の遅れ等による生産性の低さ、生産後の管理や保存状態の悪さによるロス率の高さ、過剰生産や品薄などマーケティングの観点の不足等が挙げられる。

農業に焦点を絞って解決策を検討すると、農薬、除草剤の使用による病害虫や雑草の駆除などの他に、病気や害虫に強い品種を導入するなどの方法が検討できる。また、平地が多い地形ではトラクターなどの農業機械を効率的に活用することが農産品の生産性向上につながる。世界の人口が増加し、食糧問題が深刻化してくる中、アフリカ食糧増産は世界の安定的な発展の一つの重要な要素となってくるだろう。上述の農業分野についても、先進諸国のみならず、インド、中国、ブラジル、ロシアなどのいわゆるBRICs諸国からアフリカへの投資も盛んになってきている。

このように、今後のアフリカでのビジネスを検討する上で、農業や食糧は重要なテーマになると考えられる。アフリカでの食糧や農業ビジネスを検討する企業は、機械や技術、資本の提供ばかりではなく、マネジメントなどの人材育成にも力を入れることが必要になる。この人への投資こそがアフリカの農業や食糧ビジネスでの非効率化を改善する最も重要な投資になりえるのである。

  

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