中国ロボット市場の拡大に寄せられる期待

中国ロボット市場の拡大に寄せられる期待

[2013/07/05]

中国では経済成長とともに平均賃金の急速な上昇が続いており、中国に生産拠点をもつ製造事業者にとってコストアップの要因となってきた。そのためより人件費の低いインドネシア、タイ、ベトナムなどの周辺諸国へのシフトや工場での自動化設備の高度化が進んでいる。

その恩恵を受けて伸びているのがロボット産業である。国際ロボット連盟(IFR)のデータによると、2005年から2012年に中国のロボット市場は年平均25%の成長を遂げており、2012年には産業用ロボットの販売台数は23,000台で世界第二位となった。市場拡大に伴って、欧州や日本のロボットメーカーが事業強化のため現地に進出しており、また中国メーカーの参入も始まっている。まだまだ品質などの面で中国企業は立ち遅れており苦戦しているが、中国政府がロボット産業育成のため振興計画を発表するなど積極的に後押しをしており、これからが注目されるところだ。2013年4月には中国機械工業連合会の主導のもとで中国ロボット産業連盟も発足している。新規企業の参入で競争が厳しくなると予想されるが、今後も産業用ロボットの需要はさらに増加することが期待される。

一方で、産業用ロボットに比べて市場は小さいものの、お掃除ロボットなどのサービスロボットも徐々に普及し始めている。日本以上のスピードで少子高齢化が進行する中国では、膨大な人口を抱えて介護ロボットのニーズが出てくることも予想され、また、教育やエンターテインメント分野向けのロボットの開発も盛んになっている。ロボットに親しむことで、子供達がテクノロジーに興味を持ち、学習意欲を向上させると考えられているからだ。サービスロボットは産業用ロボットよりはるかに安価ながら幅広い用途への展開が考えられ、普及に伴う数量の伸びも大きい。家電やスマートフォンなど技術・部材の点で共通する部分も多く、最終製品・部品・材料いずれにおいても魅力的な市場となる可能性を秘めていると言えるだろう。

  

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