繁体字と翻訳

繁体字と翻訳

クロスインデックスには、リサーチコンサルティング部、通訳翻訳部という2つの事業部がございます。
このコラムは、通訳翻訳部のコーディネーターによる、日々の業務を通しての雑感です。

  

[2010/07/27]    クロスインデックスでは頻繁に日本語から中国語への翻訳を承りますが、その際必ず確認しなければならなのが、大陸(中華人民共和国)向けの簡体字か、台湾中華民国)および香港向けの繁体字を用いての翻訳かという点です。
大陸中国では、日本の当用漢字の新字体以上に簡略化された漢字である簡体字を使用していますが、台湾では日本の旧字体、正字と同じ漢字を現在に至るまで用いています。画数が多いために、翻訳業界では繁体字という通称で呼ばれています。文字の系譜としては「繁体字」の方が本来の漢字であると言えるでしょう。
繁体字での翻訳案件の大半が、所謂台湾国語を使用する台湾向けの文書であるために、中国本土の出身で繁体字も使いこなす翻訳者よりも、台湾独特の文化、風土や政治・経済体制を理解している台湾在住または台湾出身繁体字翻訳者に依頼するのが通例です。香港での使用を想定する文書の場合は、台湾とは微妙に異なった繁体字を用いる香港人香港出身繁体字翻訳者に任せた方がいいでしょう。
ただし、香港の日常言語は広東語ですので、翻訳すべき言語が、標準中国語か広東語かの確認も必ず行わなければなりません。

(J.M.より)

  

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