イタリア語校正 「知識」と「感覚」

イタリア語校正 「知識」と「感覚」

クロスインデックスには、リサーチコンサルティング部、通訳翻訳部という2つの事業部がございます。
このコラムは、通訳翻訳部のコーディネーターによる、日々の業務を通しての雑感です。

  

[2010/06/09]    翻訳をしたら、その後校正を行うというのは、クロスインデックスの基本方針でもあります。その際に、原文を見て対比させて校正を行うのか、それとも原文を見ずに、イタリア語(日本語)それぞれのターゲット言語単独で自然かどうかだけを見るのでは、内容は大分変わってきます。
イタリア語校正ということで頂くお仕事として料理、ファッション等の昔からの、華やかな業界のものが多いのは変わらないのですが、最近では、イタリアの司法や財政に関するものを頂くことも多くなってきました。そんな時、問題になるのが「社会制度の違い」。イタリアの裁判所の名称や、税制に関する用語では、「本当にこのイタリア語(日本語)でいいのか?」と疑問に思われることが多々あります。正確な翻訳をし、校正をしたら、イタリア人(日本人)には何のことかわからない。そこでちょっと意訳、校正をして、注釈を加えるという場合も多くあります。知識に従って、正確に翻訳し、注釈を入れるという校正をすることもあれば、イタリア人の感覚になって、イタリア語校正の時点で、少々意訳して、感覚に合わせることもあります。こうした背景を踏まえたのか、イタリア語には、“Traduttore, traditore”「翻訳者は裏切り者」という諺があるそうです。時と場合にもよりますが、原文の著者には心の中で詫びつつ、イタリア語校正する時、両者の「感覚」に合わせた校正も時には必要なのです。

(K.M.より)

  

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