同時通訳の料金の相場

同時通訳の料金の相場

クロスインデックスには、リサーチコンサルティング部、通訳翻訳部という2つの事業部がございます。
このコラムは、通訳翻訳部のコーディネーターによる、日々の業務を通しての雑感です。

  

[2010/07/05]    同時通訳料金は、通訳者のレベルや各国の物価によって違います。
ヨーロッパ、アメリカは往々にして高く(1日8時間拘束同時通訳者1人あたり12万円程度)、日本は平均程度(同9万5千円~10万円)であり、タイやベトナムでも同程度、シンガポールはそれよりも少し安い、というのが現在の相場観です。
1945年、ニュルンベルク裁判にて初めてその重要性が認知された「同時通訳」という業務。それから長い歴史の中で、国際会議での同時通訳を主業務とする通訳者たちの協会も出来、よりよい通訳方法を模索する中で、「同時通訳料金相場」も、お客様、通訳会社通訳者の間で模索され、暗黙の了解事項として定められてきました。
もちろん、この記事をご覧になっているほとんどの方が、高い、と思われることでしょう。確かに、2008年リーマンショック以降、同時通訳の仕事が激減している、という通訳者の声をよく聞きます。
これまでクライアントに了解されていた通訳料金相場が、経営、予算とかみ合わなくなってきたことが原因の一つであることは間違いないでしょう。
同時通訳料金は、通訳会社同時通訳者との長年の信頼関係の下に策定されています。
同時通訳料金の安易な値下げは、業務の質や同時通訳者のモチベーションの低下にもつながりかねません。
中には、国益に影響を及ぼすような国際会議においても、これまでずっと同時通訳を担当し、その会議の全てを知り尽くした同時通訳者料金面から対応者リストから外れ、代わりに実績、知見のない同時通訳者が派遣されることで、会議の成果に何がしかの悪影響が出ているという話もよく耳にします。
お客様の会議内容に最も適した同時通訳者を手配することで、危うさを伴った成功が、より確固たる大成功に変わるかもしれません。
しかし適任の同時通訳者が、お客様のご予算内で手配しきれない状況も生まれてきている中、同時通訳者の皆さんにもご協力いただくことが必要な時代なのかもしれません。

(K.M.より)

  

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