ベトナムの投資環境

ベトナムの投資環境

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[2012/05/10]    ベトナム投資環境は、どのような現状なのだろうか。
ベトナムは、ASEAN加盟国10カ国中で、人口規模で第3位、名目GDPで第6位に位置している。経済成長の伸び率の推移は順調で、2015年には7.5%の経済成長を達成する見通しである(2010年9月に発表されたIMFのWorld Economic Outlookより)。こうした状況から、ベトナムは、海外企業から有望な投資国として注目が高まっている。

ベトナムは、1988年の外資導入政策を開始して以降、1996年にアジア自由貿易地域(AFTA)に本格参加し、2007年には世界貿易機構(WTO)への加盟を実現させた。2010年11月には、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)協議への参加を公式に表明している。

2国間の貿易自由化・経済協力関係については、2000年に米越通商協定、2003年に日越共同イニシアティブを締結し、関係強化に努めている。

日本との関係では、2003年に「競争力強化のための投資環境改善に関する日本ベトナム共同イニシアティブ」を立ち上げ、数回のフェーズに分けて日本企業の投資が促進されている。2003年に第1フェーズ(投資環境改善のための具体的な行動計画の策定)が始動し、2006年から第2フェーズ、2008年から第3フェーズがそれぞれ進められた。2011年以降は、第4フェーズの始動が検討される。
また、日本ベトナム共同イニシアティブが始動した2003年に、日本ベトナム投資協定が締結された。この貿易協定は、包括的で自由レベルが高く、ベトナム投資する日本企業に最恵国待遇・内国民待遇を付与されるなど、日本企業の権利の保護が明記されている。

さらに、2009年10月には日本ベトナム経済連携協定(JVEPA)が発効され、関税の撤廃・削減、サービス貿易の自由化、及び関連分野の連携強化が約束された。

ベトナム外国投資法は、2000年に改正されており、外資系企業は国有化されないこと、外国投資家の資産も没収されないことなどを保証している。

また、2006年には「共通投資法・統一企業法」が発効し、内資企業と外資企業が同一環境下で投資事業展開できることを目指している。

ベトナム市場は着実に世界に開放されており、2009年の時点で、通算12,500余りのプロジェクトに対し、1,944 億ドル以上の外資を受け入れた。

ベトナムのビジネス環境は、各種インフラや裾野産業、管理職クラスの人材などに関して未だ課題を抱えていることも事実だが、ベトナム政府は引き続き外資を積極的に受け入れる姿勢であり、魅力的な投資対象国として今後も注目に値する。

  

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