ブラジルの全方位外交・貿易

ブラジルの全方位外交・貿易

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このコラムは、リサーチコンサルティング部のコンサルタントによる、日々の業務を通しての雑感です。

  

[2012/05/10]    ブラジルの外交や貿易協定の特徴としては、全方位的であることが挙げられる。近年の経済成長を通して、ブラジルは様々な舞台でリーダーシップを発揮している。

  • 南米(メルコスール)とブラジル
    メルコスール(南米南部共同市場:スペイン語でMercosur、ポルトガル語ではMercosul)とは、南アメリカ諸国の関税同盟である。ブラジルの経済力が他の加盟国を引き離しているため、貿易摩擦が生じているが、域内の自由貿易の推進に向けて調整が進んでいる。
  • 中国とブラジル
    ブラジルにとって、中国は重要な貿易パートナーである。ブラジルは、中国に大豆・鉄鉱石を輸出し、中国からは工業製品を輸入している。中国との貿易により、ブラジル国内の工業製品が価格競争に晒される事態も生じているものの、中国からブラジルへの投資は活発で、ブラジルの発展には中国の経済活動の影響が大きい。
  • ブラジルとEU
    ブラジルにとってEUは、巨大な経済勢力であり、対米カードでもある。植民地時代には、ブラジルから欧州に資源が流入したが、現在は欧州からブラジルへの企業進出・資金流入が起こっている。今後、大西洋を挟んでさらに貿易が活発化することが予想される。
  • ポルトガル語圏とブラジル
    ポルトガル語諸国共同体(CPLP)では、ポルトガル、ブラジル、アフリカ5カ国(アンゴラ、カーボベルデ、ギニアビサウ、サントメ・プリンシペ、モザンビーク)及びアジアの東ティモールで構成されている。加盟国間の直接投資や貿易、石油開発、農業開発等に取り組んでいる。
  • ブラジルとアメリカ
    上記経済活動を背景として、ブラジルとアメリカとの関係は、もはや2カ国間で完結する関係ではなく、世界的な問題に両国が何らかの形で関与するような形となっている。相互に協調と主張がある外交が今後も展開されていくだろう。

  

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