メキシコと北米自由貿易協定NAFTA

メキシコと北米自由貿易協定NAFTA

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このコラムは、リサーチコンサルティング部のコンサルタントによる、日々の業務を通しての雑感です。

  

[2012/05/10]    北米自由貿易協定(NAFTA: North American Free Trade Agreement)は、アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国間で結ばれた経済協定である。1989年に発効したアメリカとカナダの自由貿易協定(USA‐Canada Free Trade Agreement)に、1994年にメキシコが参加し、現行の形となった。メキシコは、NAFTAを通して、二つの経済大国である米国とカナダとの自由貿易から何を得たのだろうか。

NAFTAの目的は、締結国間での貿易障壁を取り除き、より円滑な国間取引を行なうことである。具体的には、関税の引き下げ、金融・投資の自由化、知的所有権の保護などである。世界銀行(World Bank)は、NAFTAメキシコ経済に多大な経済的・社会的便益をもたらしたとの見方をしている。

その一方で、米国のシンクタンク・カーネギー国際平和財団は、2003年の報告書において、メキシコにおける農業部門の雇用喪失、労働力の国外(アメリカ)流出、耕作地拡大に伴う森林破壊、輸出用商品作物への転換による自給作物の衰退、化学物質汚染などを厳しく指摘した。

経済大国と途上国の間で交わされる自由貿易のインパクトについては、アジア、アフリカなど他の途上国における現状も参考にしながら、相互にもたらされる利益とリスクをよく検討必要あるだろう。

  

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