ブラジルの為替市場の今後

ブラジルの為替市場の今後

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このコラムは、リサーチコンサルティング部のコンサルタントによる、日々の業務を通しての雑感です。

  

[2012/05/23]    ブラジル為替市場は、ブラジルの政策金利が9%(2012年5月現在)と高めであるため、レアル高で推移している。1990年には、年率2,940%というハイパーインフレーションが発生し、以後10年に渡り為替相場が混乱したが、現在は安定的に推移している。今後、インフレや為替相場の急変などの恐れはないのだろうか。ブラジル進出を考える上で、為替相場の安定は重要な材料となるが、以下に様々な要素について考察してみたい。

  • 対外債務と輸出入
    財政危機前の1960~1970年は、対外債務を重ねながら高度経済成長を遂げたが、その資本は主に国内整備の強化に用いられ、輸出や外貨獲得に結び付かなかった。現在は、豊富な資源や自動車、各種加工製品などの輸出が活発で、貿易収支は黒字である。
  • 投資
    危機前は、経済に予測可能性が十分でなく、安定した投資を得ることができなかったが、インフレが収まると海外からの直接・間接投資が増加した。これは、高い人口増加率と豊かな資源というブラジルの利点によるところが大きい。
  • 内需
    危機前は低所得層が多く、国内需要が振るわなかったが、政府の支援制度や経済成長に伴い国民全体の購買力が大幅に向上した。

    このように、ブラジルは危機前と危機後では経済体制が全く変わっている。当時と同じような理由で、為替市場に急な混乱が発生することは考えにくい。

  

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