ブラジルの石油輸出の裏には

ブラジルの石油輸出の裏には

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このコラムは、リサーチコンサルティング部のコンサルタントによる、日々の業務を通しての雑感です。

  

[2012/05/24]    石油採掘が進むブラジルだが、その実、ブラジルは石油を輸出産品として採掘しており、国内燃料としては石油を重視していない。増産した石油を輸出するのであれば、国内のエネルギー需要が増加しているブラジルは何を燃料にするのだろう。

ブラジルは、1960年後半から石油代替燃料の研究を進め、サトウキビを原料とする燃料用エタノールを選択した。現在、ブラジルにはフレックス燃料車が普及し、ガソリンとエタノールのどちらでも、また混合したものでも使用することができる。燃費効率ではエタノールが2~30%劣るが、価格はガソリンより安い。従って、消費者は原油価格の変動を見ながら、燃料を選択することができる。

また、サトウキビの生産性向上や、環境を汚染しない手法が図られており、ブラジルはフレックス自動車やエタノールのみならず、精製や生産管理の技術なども輸出することができる。

このようなブラジルの政策は1つの工業問題(石油依存問題)を複数の経済的メリット(輸出品目の拡大・輸出量の増加)に変えた好例だろう。

  

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