クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第107弾 – UAE 2014年01月23日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第107弾 – UAE:アラブ首長国連邦 2014年01月23日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

ドバイ首長国の喫緊課題となったゴミ処理事情

国の発展とごみの増加

UAE、アラブ首長国連邦が建国されて、この40年余り、ものすごい速さでこの国は発展を遂げてきた。特にこのドバイ首長国(以下ドバイ)に見られる、砂漠の中に作られた、片側5車線も6車線もある広い道路、数々の、豪華な作りのショッピングモール、超高層ビル群、大きな家々は、人々の暮らしがどれほど豊かであるのかを象徴している。一方、ドバイでは、年々増え続けるごみが大問題となっている。

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ドバイにおけるごみの現状

ドバイでは、通常、ごみは大型のごみ収集車で集められた後、そのまま埋め立て式最終ごみ処分場に送られる。このごみ処分場は、ドバイでは2か所あり、そのうちの一つはすでに満杯で、まもなく閉鎖されるという。更にもう一つのごみ処分場についても、4平方キロメートルの広さの処分地があり、すでに20メートルほどの高さにゴミが積まれているが、年間で2-3メートルの高さのゴミが増え続けており、あと5年ほどで満杯になると計算されている。

行政の危機感と人々の意識

国の発展と共に、国民の暮らしは豊かになり、人々は簡単に物を手に入れ、簡単に捨てるようになった。行政は、「このような近代国家において、埋め立て式のごみ処理に頼っていてはいけない。ごみを減らすように、人々の意識を変えなければいけない。」という危機感を持っているものの、人々の意識はまだまだ薄いように思われる。以前の日本のように、スーパーマーケットで出されるビニール袋も、ブティックなどで出される紙袋も、何度も再利用できそうなほど分厚く、過剰な包装が当たり前である。袋を再利用したり、マイバッグを持って買い物に来る人たちを見かけるが、それもほとんどが、自分の国で環境についていろいろと学んだであろうごく一部の外国人で、国民はいまだ使い捨てを好む傾向にある。

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これから取り組むべきこと

ドバイのごみ処理施設が満杯となった後、また同じ埋め立て式の最終ごみ処分場を作るかどうかは、明らかにされておらず、環境の悪化を考えると行政もなかなか踏み出せないでいる。そうなると、首長国を挙げてすべきことは、まず、ごみの問題がどれほど大きくなっているのか、国民を含め、このドバイに住んでいる人々、そして企業にもっと知らしめ、ごみを出さない工夫をするための意識改革を行うことが必要と思われる。例えば、学校で子供たちに、どのようなゴミが自分たちが住んでいるところの環境にどのように影響を及ぼすのか、リサイクルできるごみとはどんなものがあり、どのようになされるのか、などの教育を行ったり、実際にごみ処分場が今どのような状態なのかを見に行くなど、目で知ることも大切であろう。そして、今後のごみの処理方法について、埋め立て式でない、何か別の方法も導入することを考える必要がある。

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