クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第109弾 – トルコ 2014年05月19日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第109弾 トルコ投資のフロンティア、ブリヂストン

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

トルコ投資のフロンティア、ブリヂストン

日本企業初のトルコ投資

ブリヂストン社が1988年にトルコの財閥、サバンジュ・ホールディングと立ち上げた合弁会社、ブリサ(Brisa)は、昨年11月に25周年を迎えた。日本企業としては初のトルコへの大規模投資であった。1980年の軍事クーデター以降、民政移行した後の市場経済の発展を推進する当時の大統領、故トゥルグット・オザル氏の立会いの元に、サバンジュ・ホールディング会長故サークップ・サバンジュ氏と石橋会長の間で合弁契約が結ばれた。イスタンブルと同じマルマラ地方にあるイズミットに工場を立ち上げ、1990年にタイヤ生産を開始したブリサ社は、1990年代にトルコではまだ品質問題がとりあげられていない中、ヨーロッパで品質賞を受賞した、トルコ発の企業に成長した。1999年にはラッサのブランド名で輸出も開始し、トルコはブリヂストン本社にとっても最重要国となった。

25周年記念式典

昨年の25周年記念記者会見には、経済担当大臣ザフェル・チャーラヤンも参列し、スピーチした。「ヨーロッパでは経済混乱が続いている中、トルコは成長を続けています。トルコは平均年齢30歳の若い国で、地理的にも4時間以内のフライトで中東、ヨーロッパの主要国に行くことができます。2012年の国民総生産は7893億ドルと、ここ10年間で8倍にもなっています。これは10年前には誰も予想していなかったことです。2023年には世界トップ10に入ることが目標です。25年前のブリサ社の設立は、他の日本企業のトルコ投資を触発したと言えるでしょう。ブリサ社を見て他社も勇気を出したことでしょう。製造業で成功して、他の産業に移行してしまう企業もありますが、サバンジュ財閥は路線を変えずに安定した成長を遂げてきました。これからの活躍を、省としても支援します。」

政府の奨励制度を利用した新投資

記者会見ではまた、第二工場設立の発表もあった。トルコ政府が最近発表した、トルコを6地域に分けた地域ごとの奨励制度(1が最も発展した地域、6が発展が遅れている地域でより多くの奨励が受けられる)で、第5地域にあたるトルコ中央部のアクサライ県の産業団地に建設予定である。1,1000,000m2の広大な敷地で、2018年に乗用車、商用車のタイヤを生産開始する。合計投資額は3億ドルで、年間予定生産量は120万本になるというこの工場が操業を開始すると、ブリサ社の生産能力は全体の30%アップする。

2008年からこれまでに売り上げを2倍に増やしたいブリサ社の、ますますの発展が期待される。

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