クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第2弾 – 中国 2009年1月20日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第2弾 – 中国 2009年1月20日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、19カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

中国の携帯電話市場およびコンテンツ提供の広がり

中国における携帯電話。日本の携帯電話メーカー及び関連サービス企業にとっては、2つの意味で大きな可能性を秘めている市場だ。

中国での携帯電話利用人口 6億人

まず、モノとしての携帯電話中国携帯電話ユーザー数は6億人を超え、すでに世界一の携帯電話大国となっている。

中でもデザインに優れる日本製の携帯電話は、上海など都市部の若者を中心に人気を集めている。

日本で売られている携帯電話中国に持ち込み、改造を施して再販する”ブローカー”が存在するほどだ。

日本に旅行する中国人の知人や上海などに在住する日本人の知人の一時帰国の際に、携帯電話の購入を頼むようなケースもよく聞かれる。

携帯電話のメーカーはこれに目をつけ、日本で売られている機種と同等の製品を中国市場に投入、2008年にはシャープが「アクオスケータイ」を発表した。

人気映画の「レッドクリフ」(中国語名:「赤壁」)とコラボレーションした広告により、4,000元(約52,000円。1元=13円換算)超という高額にもかかわらずヒット商品となっている。

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北京オリンピックの行われた鳥巣スタジアム
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超高層マンションの立ち並ぶ香港

携帯電話によるインターネット人口 1.2億人

もうひとつは、インターネット接続端末としての携帯電話だ。

中国インターネット・ネットワーク情報センター(CNNIC)の2009年1月13日の発表によれば、中国携帯電話を通じたインターネット接続者は2008年末で1億1700万人に達した。

上海などの都市部の街中や地下鉄の中では、タッチペンを片手にメールチェックをする風景が一般的になりつつある。

日本の携帯コンテンツ企業はすでに中国市場に照準を合わせている。

ディー・エヌ・エー社が携帯SNS「加加城」を2007年に発表したほか、ナビッピドットコム社はGPS(全地球測位システム)を利用した携帯地図ナビゲーションサービスを中国で実現しようとしている。

そのほか、携帯を利用したオンラインゲームや音楽・動画配信システム、コミュニティサイトなど、日本での実績を活かして中国市場に食い込もうという動きは引きも切らない。

3Gの普及の兆し

2009年1月7日には、この動きを加速するニュースが発表された。

中国移動社チャイナ・モバイル)など中国携帯キャリア3社に、第三世代携帯3G)事業の免許が交付されたのだ。

3Gサービスは通信容量が大きく、携帯コンテンツ産業にとっては追い風となる。

中国電信社チャイナ・テレコム)は2009年2月末にも、北京市を皮切りに3Gサービスを開始すると発表している。

中国ではこれまでCDMA方式GSM方式が併用されており、3Gにおいても中国移動社中国独自開発のTD-SCDMA方式中国聯通社W-CDMA方式中国電信社CDMA2000方式をそれぞれ採用する形となる。

3Gサービスの展開に向け、携帯電話各社は2,800億元(約3兆6,400億円。1元=13円換算)の投資を行うとしている。

このことから、今回の免許交付は景気後退に対応した中国政府の内需拡大策の一環とも言われている。

世界でも先進的と定評のある日本の携帯コンテンツ産業にとっては、願ってもないチャンスが訪れたようだ。

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深夜遅くまでネオンの輝く香港

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