クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第9弾 – メキシコ 2009年3月11日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第9弾 – メキシコ 2009年3月11日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、19カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

メキシコの親日感情とビジネスへの影響

日本とメキシコの友好関係

メキシコ(United Mexican States)は親日的な国である。

特に最近、2007年の日本人のメキシコ移住110周年、2008年の日墨修好通商条約締結120周年に続き、今年2009年は日墨友好400周年と、二ヶ国間においての節目となるイベントが続いている。

メキシコの日系人は、メキシコ革命、第二次大戦中の強制転住など、様々な波乱を経験しつつも、医師、弁護士などメキシコ社会の上層部に人材を輩出し、メキシコにおける日本人の地位の向上に大きく貢献した。

これを背景に、日本企業も古くからメキシコに進出し、日墨経済連携協定締結などの追い風を受けて日本とメキシコの経済関係は順調に推移してきた。

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日本食ブーム – 寿司を握るメキシコ人の板前
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日本と変わらないメキシコの日本食。
奥から焼き鳥、酢の物、刺身、ご飯、味噌汁。
100ペソ(約700円)

メキシコ人が見る日本

文化面でもメキシコにおける日本のプレゼンスは高い。

かつて佐野碩がメキシコの演劇界に影響を与え、今日も国民的画家のルイス・ニシザワ氏、バイオリニストの黒沼ユリ子氏、大衆娯楽であるルチャ・リブレ(メキシカン・プロレスリング)の日本人レスラーが活躍している。

年二回行われる日墨協会の日本祭では、在メキシコの県人会や日本商工会議所が日本の雑貨や食べ物を売ったり、日本の剣舞や太鼓を見せたりしているが、最近では日本アニメの影響を受けた仮装(コスプレ)したメキシコ人の若者で溢れている。

また、日墨協会や中央学園(日本語補習学校)には、日本舞踊、習字、生花のクラスがあり、多数のメキシコ人を集めている。

メキシコシティMexico City)の電話帳を見ると日本食のレストラン数は、かつてメキシコを支配したスペイン料理を上回っている。

メキシコ人の日本語学習熱も高く、アンケートによると「日系企業への就職」が主要な日本語学習の動機のひとつとなっている。

2006年の日墨協会50周年行事の席で、フォックス大統領(当時)は「400社以上の日系企業が数百万人の雇用をメキシコにもたらした」として、そのメキシコのGNP(国民総生産)増加につながる貢献に謝意を示し、日本人の優れた仕事ぶりを絶賛した。

また現カルデロン大統領政権も、2008年12月末の「対アジア太平洋地域関係の拡大強化」と題した声明の中で日墨間の友好的歴史の節目について触れ、インド、韓国、中国とともに日本との二国間関係を今後一層強化したいとしている。

メキシコ市場で健闘する日系自動車メーカー

メキシコは名目GDPが2007年において約8,900億ドルと、ASEAN4(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン)に迫る市場であり、ゴールドマンサックスがBRICsに次いで経済成長が期待されるとしたネクスト11Next11)の一つとして成長が期待される国である。

しかし、ここメキシコでも米国の金融危機の打撃は大きく、国内消費が低迷している。

2008年のメキシコ自動車市場を例にとると、AMIA(メキシコ自動車工業会)の統計によると、2008年の消費者向け自動車販売台数は約103万台で、前年比6.8%減であった。GM、フォード、クライスラーが7.8~15%減、ベントレー、プジョーが30%以上の販売減となった。

しかしながら日系企業8社についてみると、トヨタ、日産、三菱自動車3社の自動車販売台数の減少は4.9%以下に留まり、逆にホンダ、いすゞ、マツダ、スバル、スズキ5社では増加している。

このような日本メーカーの健闘ぶりは、メキシコの消費者にとって日本製品が最後まで残るオプションであるということを示唆している。

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