クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第12弾 – ベトナム 2009年4月7日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第12弾 – ベトナム 2009年4月7日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、19カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

ベトナムの小売市場の開放に伴う外資系企業への市場機会

急成長するベトナム小売市場

ベトナム(Socialist Republic of Vietnam)が2007年1月に世界貿易機関(WTO)へ加盟してから、2年が経過した。その間、ベトナムは、段階的に小売市場の自由化を進めてきたが、WTOの加盟合意に基づき、2009年1月1日より外資系企業に対しても国内小売市場を開放し始めた。

ベトナムの2003年~2007年にかけての小売市場は、年間20%代前半の成長率で推移しており、さらに小売市場の自由化が促進されているベトナムは、外資系企業にとって非常に魅力的な市場になる。

もちろん、現在のベトナムにおいても、増加した富裕層による高級ブランドへの需要が高まり、ホーチミンシティHo Chi Minh City)の中心部などには、高級ブティックが軒を連ねている。

また、現在ベトナム人の1人当たり年収が、一般的なホーチミン市民で平均1,500ドル程度であるが、2010年には3,100ドルにまで伸び、さらに2020年にはその2倍になると予測されていることから、ベトナムの小売市場はさらなる発展が期待できる。

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外資系ブティックの進出するホーチミンシティ
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外資系百貨店Parkson CT Plazaの
進出するホーチミンシティ

外資系小売大手のベトナム進出ラッシュ

2008年12月18日にホーチミン市7区にオープンした、韓国の大手スーパー ロッテマート(Lotte Mart)は、今後10年間で50億ドルをかけて30店舗を出店する計画を打ち出している。

また、ベトナム国 内ですでに店舗を展開しているドイツのスーパー メトロ・キャッシュ&キャリー(Metro Cash&Carry)や、マレーシアのパークソン社(Parkson)が経営するショッピングセンター パークソン(Parkson)も、今後 店舗を拡大する予定である。

一方で は、国内小売業者と日系企業とのフランチャイズ契約も活発である。例えば、2006年末には日本のベスト電器が、国内のベンタイン商業マーケティング社 (Ben Thanh)の家電量販店ケアリングズ(Carings)と契約し、ベストケアリングズ(Best Carings)として店舗を展開しており、新しい物が好きなベトナム人消費者の注目を集めている。

ベトナムでは通常、電化製品の新製品販売が近隣諸国より遅いが、ベスト電器との提携により、ホーチミン市ではこれまで以上に早く消費者が電化製品を入手できるようになった。

日本のダイソーも、現地のチ・フック社(Tri Phuc)とフランチャイズ契約を締結して同社に展開を許可し、ホーチミンシティから車で2時間程のタイニン省(Tay Ninh)にあるモックバイ(Moc Bai)国境経済区のフソー(Fuso)免税スーパーで販売を開始した。ダイソーは今後も店舗を拡大し、ベスト電器同様、サービス、管理など運営面での支援をするという。

ちなみに、ホーチミン市7区は、中心部から少し離れているものの、若者が多く居住している。このため、前述のロッテマート内に位置しているベスト電器の1店舗は、客の入りも上々のようだ。ベトナム人は、安価なものや珍しいものが購入できるとなると少し遠方でも足を運ぶ人が多いことも、集客の後押しとなっている。

ベトナム小売市場の今後

WTO加盟によりベトナムの小売市場は、露天市場(いちば)や雑貨店といった旧来型の小売形態から、スーパー、ショッピングセンター、コンビニエンスストアといった近代型小売形態に変化しつつある。

外資系企業には、国内企業にはない豊富な経験や商品、潤沢な資金といった強みがあり、これらは国内企業にとって大きな脅威となっている。

世界経済の後退で国内需要が相対的に減少する中にあっても、今後ベトナムでも、消費の選択肢は確実に増加する。ベトナムでの成功の鍵は、ベトナム人消費者の需要動向についての詳細な把握、ベトナム人を惹きつけるインパクトのある宣伝広告や販促活動といった、顧客の需要喚起行為と言えそうだ。

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