クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第13弾 – インドネシア 2009年4月8日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第13弾 – インドネシア 2009年4月8日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、19カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

環境・健康への関心 ~インドネシアで増加する折りたたみ自転車~

インドネシアで広がりを見せる自転車ユーザー

インドネシアRepublic of Indonesia)、特にジャカルタJakarta)などの大都市に暮らすエグゼクティブのライフスタイルにおいて、現在、「健康」と「環境」がキーワードになってきている。

ジャカルタは、車社会であるため、通勤や移動に歩くことが殆どない。ジャカルタのエグゼクティブたちは、日常的に車で移動しているため、特に、健康維持のためにも積極的な運動が欠かせない。ジャカルタにおいても、エグゼクティブが健康を意識して仕事の前後にフィットネスクラブに通うことは、もはや当たり前の光景となっている。

しかし、最近のジャカルタでは、エグゼクティブのライフスタイルに、「健康」以外にキーワードがもう一つ加わった。「環境」である。すなわち、健康と環境にやさしい生活を目指すエグゼクティブが増え、その結果、ジャカルタでは最近、自転車のユーザーが増加しているのである。

ジャカルタでも数年前から、マウンテンバイクなど、いわゆる本格的な自転車に乗るバイカーや、渋滞を避ける為にやむを得ず車通勤を止めて自転車通勤に切り換えた人々はいた。しかし、最近のジャカルタでは、特に環境を意識しつつファッション性も高い折りたたみ自転車のユーザーが増えている。

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インドネシアにおいても
魅力的で手軽な折りたたみ自転車
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ジャカルタ社会変容の原動力
折りたたみ自転車

インドネシア人を惹きつける折りたたみ自転車の魅力

折りたたみ自転車の最大の魅力はその手軽さにある。

例えば、バスなどの公共交通機関に自転車を積み込んで乗車し、下車後は自転車に乗って会社まで行くことができる。さらに、折りたたみ自転車は会社の敷地内での移動にも使えるし、コンパクトに折りたたんで会社内にも運べて大変便利である。また、インドネシアにおける折りたたみ自転車の人気を押し上げているもう一つの要因として、ラップトップパソコンやブラックベリー(Blackberry)などのモバイル製品のように、いつでもどこでも使える利便性がある。

従来よりインドネシアに は、自転車通勤を応援するコミュニティー「Bike to Work (B2W)」があった。現在の会員数は5,000人を超すと言われ、自転車のブランドや価格についての情報交換なども活発に行われている。最近、この B2Wでも折りたたみ自転車ユーザーが増加していることから、インドネシア全体においても折りたたみ自転車が浸透してきていることは推して知るべしである。

ジャカルタでは、100万ルピア未満(8,300円程度、1円=120ルピア換算)で買える中国製の折りたたみ自転車物から、アクセサリーにも凝った1000万~2000万ルピア台(83,000-170,000円程度)まで、様々な価格帯の折りたたみ自転車が購入できる。

人気が高い主なブランドは、輸入品ではダホン(Dahon)、ジャイアント(Giant)、バーディー(Birdy)などで、国産品ならポリゴン(Polygon)、ユナイテッド(United)などがあり、価格は200万~400万ルピア程度のものが多い。

折りたたみ自転車で変容するジャカルタ社会

ジャカルタでは毎月1回、日曜日にカーフリーデーを実施し、目抜き通りのタムリン・スディルマン通りを歩行者に開放しているが、最近はここでも折りたたみ自転車がよく見かけられるようになった。

インドネシアでは従来、車やバイクの駐車場はあったが、自転車の駐輪場は設置されていなかった。ここにきて、インドネシアにおける自転車ユーザーの増加に対応し、エグゼクティブが通うショッピングモールの中には駐輪場が設置され、外で汗をかいた人が着替えをしたり、シャワーを浴びられるような設備を用意する施設もでき始めている。

また、ジャカルタでは、公共交通機関と自転車を併用する人のために、歩道に自転車専用レーンを設置する構想もあり、ジャカルタの自転車ユーザーがジャカルタ社会を少しずつ変えつつあると言える。

インドネシアにおける折りたたみ自転車の販売台数自体はまだそれほど多くはないものの、その珍しさと「健康」「環境」トレンドとが相まって、確実に増えてきている。折りたたみ自転車は、これまで車に乗ることでステイタスを示してきたインドネシア人エグゼクティブが、「健康」と「環境」に配慮していることをアピールする良い機会にもなっているようである。

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