クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第14弾 – 中国 2009年4月9日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第14弾 – 中国 2009年4月9日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、19カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

安全性と健康志向により中国に日本料理ブーム到来

中国のホワイトカラー層に定着した日本料理

世界的に日本料理ブームが起きていると言われて久しいが、ここ中国でもそれは例外ではない。

例えば、上海市内には優に100を超える日本料理店があり、人気店では本来のターゲットである日本人駐在員以外に、中国人客の姿も目立つ。中国人客一人あたりの予算は、夕食のコースで100元~150元(約1300円~1950円 1元=13円で換算)と決して安くはないが、経済的に余裕のある中国人ホワイトカラー層には、日本料理がすでに食事のレパートリーのひとつとして定着しているようだ。

日系企業による日本料理店の中国出店が加速

経営者は日本帰りの中国人の場合も少なくないが、日本人や日系企業による中国出店が増加傾向にあり、上海でも日本でなじみのある店名が目に付くようになってきた。例えば、ワタミインターナショナル社は「和民」を、モンテローザ社は「笑笑」「白木屋」をそれぞれ数店舗ずつ上海に出店している。

中国出店のために両社とも、中国人を意識した工夫が見られる。居酒屋の雑然とした雰囲気を抑え、「ちょっと高級な日本料理屋」といったイメージを打ち出し、メニューについても、寿司や天麩羅、刺身など、中国人が日本料理と聞いてすぐに思い浮かべそうな料理を充実させているのだ。

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「たこ焼き」や「おでん」など軽食も若者の中国人に人気

軽食・ジャンクフードにも、日本料理ブームが起こりつつある。例えば、「たこ焼き」だ。

上海市の中心部、静安寺の高級デパート「久光」の地下にはたこ焼きブースが出店し、8個入りで20元(約260円)とおやつにしては高額ながら行列ができる人気ぶりだ。2008年10月には築地銀だこが上海第一号店を出店している。5元(約65円)程度で買えるたこ焼き屋台も上海市内のあちこちに出現し、軽食の定番になりそうな勢いだ。

また、「おでん」を食べる文化は、上海などの都市部に住む中国人若者にはすでに定着したと言える。上海市内に多数出店するローソンやファミリマートなどの日系コンビニは一年中おでんを用意している。1本2元~3元程度(約26円~39円)で提供し、人気商品となっている。

このように、上海などの都市部に住む中国人の若者は、いわゆる高級料理ではなく、栄養的に優れているとも言えない「たこ焼き」や「おでん」を進んで受け入れている。この背景には、「日本の食べ物だから格好いい」というイメージがプラスに働いていることは間違いない。

中国人の若者にとって「イメージがプラスに働いている」ことは、たこ焼き屋の看板には必ず日本語で「たこ焼き」という文字が書かれてあり、おでんは「熬点:ao dian」という日本語を音訳した呼び名で通用していることからも明らかだ。

中国で受け入れられる安全・健康、「クール」な日本料理

2008年は毒入り冷凍ギョーザ事件など、中国製食品の安全性に対する日本人の信頼が揺らいだ年だったが、それは中国人にとっても同じだ。上海などの都市部を中心に生活に余裕が出てきた中国人が、安全で健康的な食事として日本料理を好む傾向が顕著になった。

また、日本が持つ「クール」「格好いい」というイメージも、日本の軽食・ジャンクフードが幅広い層に受け入れられる要因になっている。高級料理・軽食を問わず、中国にはまだまだ多様な日本料理が受け入れられる可能性が潜んでいる。

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