クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート 第16弾 – 南アフリカ 2009年4月16日

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クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート
第16弾 – 南アフリカ 2009年4月16日

新興国12カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの12カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、12カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

南アフリカの高い犯罪率が生みだすセキュリティ需要

南アフリカ、経済発展の光と影

南アフリカRepublic of South Africa)は、アフリカの美しい大自然と整備されたインフラとで知られ、観光客や外国企業に高い人気を誇る。しかしその反面、南アフリカは世界で最も犯罪率が高い国のひとつとしても悪名高い。というのも、南アフリカは銃社会であり、銃を容易に手に入れることができる。そして、その銃を使用した傷害・殺人などの凶悪犯罪が多発しているのだ。

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防犯柵が備え付けられた
アパートの窓と扉(プレトリア市
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電気フェンスで防備された
住宅地の塀(プレトリア市

特にヨハネスブルクJohannesburg)、プレトリア市(Pretoria)、ダーバン(Durban)、ケープタウン(Cape Town)といった南アフリカの都市部地域で犯罪が多く、南アフリカで2007年の一年間に起きた殺人事件は1万9,200件に上る。2007年度における日本の殺人事件数1,199件と比べ、非常に高い数値である。

銃を用いた犯罪の他にも、暴行、レイプ、車のハイジャック(カージャック)の発生率も大変高い。このような治安状況を受けて、南アフリカではセキュリティ機器の需要が高まり、日常生活では不可欠になっている。

南アフリカ中で目にするセキュリティ機器の数々

南アフリカで安全に生活するにはセキュリティ機器および防犯設備の設置が欠かせない。これら防犯柵(Burglar Bar)やフェンスの設置といった住宅整備に掛かる出費に加え、警備会社・警備員への支払いといった毎月の出費も、決して安くはない。

南アフリカにおいて、防犯に掛ける住宅設備の初期費用は、一戸建住宅で数千~数十万円となっている。さらには、毎月の警備会社への支払いが数千~数万円以上に達する場合もある。南アフリカにおいては、多くの建物の扉や窓に押し入り強盗対策として防犯柵が設置されているが、一般的に、建物の内外には警報アラームを設置し、加えて敷地を囲む塀の上を鉄条網や電気フェンスで防備している。南アフリカにおける住宅は、これらの設備対策を施した上でさらに警備員を雇うケースも少なくないのが現状である。

また、南アフリカでは、ほぼ全ての自動車が対カージャック用の警報アラームを装備しているなど、人々の自動車に対する防犯意識も高い。こうした意識の表れとして、南アフリカにおいては、カージャックが発生した場合の自動車追跡システムの需要も高い。

設置に費用がかかる大掛かりなセキュリティ機器以外でも、ペッパースプレーやスタンガンといった携帯用のセキュリティ機器も南アフリカの至る所で販売されている。南アフリカで安全に暮らしたい人々が、自宅や公共の場で自らの身を守るために購入している行為が、こういった携帯用のセキュリティ機器の大衆化を促していると言える。

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プレトリア市郊外住宅地の主要門。
警備員、アクセスコントロール機器、
パトロールカーなどが
住民と訪問者の出入りを管理
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住宅に備え付けられたアラーム・システムの
管理パネル(プレトリア市

 

南アフリカで高まるハイテク警備機器・システムへの需要

南アフリカでは、民間警備員の数が国内警察要員の数を圧倒的に上回ると言われている。事実、南アフリカにおける防犯セキュリティ機器及び警備サービス産業には、大中小の様々な南アフリカ企業が多数存在する他に、外資系企業も参入している。海外より南アフリカの防犯セキュリティ機器及び警備サービス産業に参入している企業には、アメリカのADT社やUTC 社(United Technologies Corporation) 、南アフリカではChubb SA社などが有名だ。

一方、南アフリカ国内企業の中には、アフリカの南部の諸国にまで活動を広げる大企業が多くあり、フィデリティ社(Fidelity Security Group)やコイン社(Coin Security Group)などが有名だ。フィデリティ社は従業員数3万人を有し、モザンビークMozambique)、ナミビア(Namibia)、ボツワナ(Botswana)、スワジランド(Swaziland)、レソト(Lesotho)などにも警備サービスを供給している。

南アフリカおよび南部アフリカ諸国では、こういった企業を通して指紋読み取り装置や門扉付近のアクセスコントロール機器といったハイテクセキュリティ機器をアジア及び欧米諸国から輸入販売し、より効果的な防犯対策を実現している。

南アフリカで日本のハイテク防犯システムが大規模に導入された例として、南アフリカの国民IDに組み込まれたNECの指紋認証システムがある。南アフリカでは、国民ID、パスポート、クレジットカードなどの盗難および偽装が頻発しており、このようなハイテク防犯システムは必要不可欠となっている。

南アフリカの治安状況に鑑みれば、南アフリカにおける防犯セキュリティ機器及び警備サービス産業は、今後もいっそう高い需要が見込まれる分野である。高い犯罪率は南アフリカにとって残念な社会状況ではあるが、南アフリカでは、効果的な防犯商品とサービスへの需要が常に高く、日本の警備・防犯技術関連企業にとっては今後も注目できるマーケットと言えそうだ。

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住宅に装備された
モーション・センサー・アラーム
プレトリア市

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