クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート 第17弾 – フィリピン 2009年4月17日

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クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート
第17弾 – フィリピン 2009年4月17日

新興国12カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの12カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、12カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

フィリピンでの販売戦略「はかり売り」

強い日本ブランドを生かしフィリピン人消費者のニーズを満たす

これまでのフィリピン人は、かつて日本人がそうであったように、根強い舶来信仰を持っていた。フィリピンRepublic of the Philippines)では、特に日本製品のブランドは絶大なパワーを持っており、これまでならたとえその商品がフィリピン国内で生産されたものであっても、“日本製”との認識で多少値段が高くても受け入れられてきた。しかし、事情は変わってきている。

先進国が描く従来のビジネスモデルが崩壊し、価値が見合えば価格が高くてもそれだけ払うという時代ではなくなってきている。牧歌的な営みのフィリピンでは、一昔前の暮らしに戻るのはたやすい。しかし、そこでも何より優先されるのは、やはり“経済性”なのだ。

2008年12月1日に日比経済連携協定(EPA)が発効し、日本メーカーの多くはフィリピンをマーケットとするうえで、諸外国より価格競争面で諸外国より価格競争面で優位に立てるようになった。この結果、これまで米国系企業の独断場であったフィリピンのマーケットでは、日本ブランドなどがあまり進出していなかったシャンプーや洗剤分野はもちろん、日本でしか手に入らぬ生活必需品分野において、日本企業にとってフィリピンにおけるビックチャンスが到来したといえる。

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フィリピンメーカー製スナック。
日本のイメージを利用した小袋入り
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パックで買ってボトルに詰め替えるのが
フィリピンの庶民の間では普通

EPAによる関税緩和が及ぼすフィリピンへの影響

フィリピンでは、マーケットメカニズムの常識が当てはまらないことがある。例えば、一般的には食品や生活必需品などは少量ずつ買うよりも、大きな容器に入ったものを購入した方が割安に感じるが、フィリピンではシャンプーや洗剤などは、大きなパッケージのものよりも、少量を切り売りで求めた方が安いのである。

これらの商品は、フィリピンでパッケージングされた可能性が高い。それは、フィリピンへ完成品で輸入すると高い関税がかかり、パーツで輸入してフィリピンで製品化すると高い関税を免れることができるためだ。しかし、今後は日比経済連携協定(EPA)で関税が緩和されることから、フィリピンで製品化する優位性が薄れる。その結果、完成品で輸入する製品の低価格化が進むことが予想されるため、これからのフィリピンではどう売るかの販売戦略が成功のカギとなってくるであろう。

日本とフィリピン間のEPAの税率は、2008年12月1日発効の日本とASEANの包括的経済連携協定(AJCEP)よりも、多くの品目で有利だという。これは、フィリピン市場においては、多くの日本の企業がアジア諸国のなかでも優位に立てることを示唆している。

フィリピンでは小さいことはいいことだ

フィリピンの街角では、タバコが1~2本単位で売られている。フィリピン国民約9千万人の大多数が、一事が万事で、「小さいことはいいことだ」といった生活を送っている。日本人には想像もつかないかもしれないが、現在のフィリピンには、かつて日本人が空き瓶を抱えて醤油や酒を購入していた時代の経済がある。

フィリピンのコンビ二、サリサリストア

日本列島の小売業はコンビニに席巻されたかのような感があるが、ここフィリピンでその役割を果たしているのは、フィリピンのコンビニ「サリサリストア」である。「サリサリストア」は、首都マニラなど都市の路地はもちろん、フィリピン各島の農村地帯でもいたるところで見ることができる。「サリサリ」とは“なんでも”の意で、食品から洗剤などの生活必需品まで文字通り何でも揃っている。しかもフィリピンらしく、陳列されている商品はいずれも少量ずつ小分けパッケージングされている。

同じ量を買うならば、“小売り”の方が“大売り”よりも割安であるのは、フィリピンでは切り売りした方が需要が高く、商品が掃けるからかも知れない。いずれにしても、ここフィリピンでは、所得が高くない庶民が求めやすい形で商品を提示することが求められている。

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フィリピン全国いたるところに林立する
サリサリストアでは何でも手に入る

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