クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第23弾 – マレーシア 2009月7月23日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第23弾 – マレーシア 2009月7月23日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

掲載頻度としては、半月に一回、19カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。

代表取締役社長 中村知滋

マレーシアで高まる日本語教育ニーズ

多言語の飛び交う特殊な環境

公式情報ではマレーシアMalaysia)における公用語は英語およびマレー語となっているが、実際にはその他に、中国系マレーシア人の中国語(マンダリン、福建語、広東語など)、インド系マレーシア人のタミール語などが混在する多言語国家となっている。

そのため、大抵の人が2、3の言語を話すのが当然の環境となっているのである。

とはいえ、実際の母語は、英語以外の言語の場合がほとんどである。

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インド人街
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マレーシアの町並み

英語教育の必要性

英語に関してはマレーシア独自の発音と文法があり、英国植民地であった故のイギリス英語の名残はあるものの、マレー語の文法を置き換えた独特なスタイルとなっているものが多い。

例を挙げると、マレー語の文法では、過去形を動詞の変化ではなく、”sudah” という過去を表す言葉を動詞の前におくことで表現することが多い。

そのマレー語の文法をそのまま英語に置き換え、動詞を現在形のままにして、”already”を動詞の前、または文末に用いて過去を表現するといった具合である。

そのため、欧米のネイティブ・スピーカーでもコミュニケーションに困難を覚える場合も少なくないのが事実である。

外資系のショッピングモールやレストランで就職するためには英語が求められている反面、家庭で主に話されている言語が英語である家庭は意外と少なく、世界標準の英語教育の需要は常に存在していると言える。

日本語への強い関心

他の東南アジア諸国の例に漏れず、マレーシアでも日本の文化への関心は高く、日本のアニメーションやドラマの放送も驚くほど浸透している。

またマレーシアの経済発展のために1981年に当時のマハティール首相が日本や韓国の経済発展に倣うことを推し進めた「ルック・イースト政策」の影響は色濃く残っており、日本語を学ぶことにより日系企業への就職に役立てたいと願う人は少なくない。

また、マレーシアならではの、ココナツや果物の加工製品などを扱う中小企業には、日本を主要なマーケットとして商品開発を行っていることも多く、日本語教育の需要は高い。

他方、国立大学20校のうち15校が日本語課程を持っている反面、民間学校での日本語教育はいずれも初歩的なものにとどまっている場合が多く、需要を全て吸収できるほどには至っていない。

また、日本語への需要は主要都市のみならず、サテライト都市においても高い需要が観察されているが、主な語学学校は主要都市に集中しており、通信教育などによる代替手段の需要も高いと言える。

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ペナンへ行きかうフェリー
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語学教育に関するマーケット

このように語学教育への関心が高いことが観察される一方で、総合的な語学学校や個人勉強のための教材などに関しては、お世辞にも充実しているとは言えない。

外資系の語学学校はELSランゲージセンターやブリティッシュ・カウンシルなどが既に進出しているものの、英語だけに特化されており、多言語教育サービスを行うような語学教育のニーズは高いように思われる。

つまり、英語にせよ日本語にせよ、語学教育のスペシャリストとして特出しているサービスの需要が高いのである。

これは、多言語国家ゆえに自己流で言語を習得する人が多いマレーシアならではの状況であると言えるが、結局のところビジネスで通用するようなレベルに至るまで語学を習得するには体系的な語学勉強が必要であり、そのニーズを満たすためには、「各言語の語学教育サービス」を充実することが必要であると言えよう。

マレーシア全人口(約2700万人)のうち、0~14歳は全体の約32%(約864万人)であり、教育分野におけるマーケット対象という意味においても、マレーシアは今後も継続的な市場規模の拡大が見込めるものである。

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