本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。
BRICs、NEXT11、VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。
掲載頻度としては、半月に一回、19カ国分のレポートの順次掲載を予定しております。国際ビジネスを展開される皆様のヒントになれば幸いです。
代表取締役社長 中村知滋
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船舶の混雑がピークに達するホーチミン市内港湾2008年中頃、ベトナム(Socialist Republic of Vietnam)のホーチミン市内(Ho Chi Minh City)にある港湾では、船舶の混雑がピークを極めていた。 貨物の受け渡しに要する時間が以前の数倍に昇る事態となり、海運会社の中には保管料の損害を補うために新たな費用を顧客から徴収する企業も出てきた。 |
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![]() ベトナムの建設現場 |
急速に進む港湾インフラそのような中、2009年2月4日、韓国の韓進海運社(Hanjin Shipping)、日本の商船三井(Mitsui O.S.K.Lines)、台湾のワンハイラインズ社(Wan Hai Lines)などが共同出資を行い、タンカン・カイメップ合弁国際ターミナル社(Tan Cang Cai Mep International Terminal)を設立した。 タンカン・カイメップ合弁国際ターミナル社は、ベトナム東南部バーリア・ヴンタウ省(Ba Ria-Vung Tau Province)のカイメップ・ティーヴァイ港区(Cai Mep-Thi Vai)に、ベトナム初の深水港(ターミナル)を設立する予定であり、同港が完成した暁には約7,000TEU型までのコンテナ船を受け入れることが可能となる。 カイメップ・ティーヴァイ港区には、2009年中に営業開始を予定しているサイゴン(Sai Gon)港とPSA Singapore社の合弁会社が設立するSP-PSA港もあり、これら全ての港が正式に営業を開始すれば、東南部ドンナイ省(Dong Nai Province)のニョンチャック(Nhon Trach)県やバーリア・ヴンタウ省にある工業団地内の企業も、ホーチミンシティーまで貨物を運ぶ必要がなくなる。 さらに近隣の工業団地である北東部タイグエン省(Tay Nguyen Province)や中南部からの貨物も、ホーチミン市内の港を使用する必要がなくなるため、ホーチミン市港湾の貨物量が大きく減少すると考えられる。 また、タンカン・カイメップ合弁国際ターミナル社の深水港建設で、カイメップ・ティーヴァイ港では巨大船舶の入港が可能となり、今までのように、貨物を一旦中型船に移して運ぶ手間がなくなることから、企業にとっては輸出入に掛かる経費の削減が期待できる。 |
港湾と道路インフラの整備また、ホーチミン市内の港湾に集中する貨物の増加は、周辺地域の交通渋滞をも引き起こしている。 2008年のホーチミン市における個人車両の所有台数は、二輪バイクが約370万台、自動車約37万台となっている。 これに新規の自動車登録が1日平均バイクで約1,000台、自動車では約100台増えており、ホーチミン市港湾の周辺地区の混雑は近隣住民の生活や経済発展に大きな影響を与えている。 ベトナム交通運輸省では2020年までにベトナム各都市において、1,000兆ドン(約625億ドル)規模の道路インフラ整備開発を計画しており、今後の港湾開発進展と平行してホーチミン市の道路インフラ整備も拡大を見せ、ホーチミン市の近隣住民はもちろんのこと、海外の投資家が受ける利益も小さくないと予想される。 |
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ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |