クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第26弾 – 中国 2009年8月26日

BRICs、NEXT11、VISTA等新興国19カ国 現地ビジネスレポートの定期購読申し込み(無料)はコチラ

china

クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第26弾 – 中国 2009年8月26日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

内需を牽引する中国ネットショッピング市場

金融危機の中でも高成長を遂げるネットショッピング

世界的に金融危機が深刻化するなか、中国People’s Republic of China)もその影響を少なからず受けている。

 

中国のGDPは2007年まで、5年連続で10%を超える成長率を誇ってきたが、その中国でさえ、2008年のGDPは約9%に留まる結果となった。

 

また中国の輸出額の伸び率も2008年には約18%と、2002年以来はじめて20%を割り込んでいる。

 

そのような中、中国ではネットショッピングが驚異的なスピードで成長している。

 

特にC to C形態(個人が運営するネットショップ)のインターネットビジネスが著しい成長を見せている。

 

C to C部門、前年比239.5%の驚異的な成長

中国インターネットネットワーク情報センター(CNNIC)の報告『2008年中国ネットショッピングの総括及び2009年のネットショッピングの展望』によると、2008年のネットショップのB to C市場規模は80億元(=約104億円、1元=13円換算)であり、2007年と比較して172.4%の市場拡大となった。

 

これに対してC to Cの市場規模は1,121億元(=約1兆4573億円、同)と、実に前年の2倍以上である239.5%まで市場が拡大している。

china
china
中国最大のネットショッピングモール
「淘宝網(タオバオ)」のホームページ

楽天を大きく上回る中国最大のモール「タオバオ」

このように急拡大する中国のネットショッピング市場だが、その成長を牽引しているのは、中国ネットショッピングモールの雄、淘宝網(タオバオ)だ。

C to C市場における淘宝網のシェアは80%を超え、中国上海北京など、都市部の若者で淘宝網を知らない者はいないほどだ。

淘宝網には130万店に上る店舗が出店し、登録ユーザー数は8,000万人(中国人口約13億の6.2%)を超える。

また、淘宝網の2008年の販売額は約1,000億元(約1兆3,000億円 同)と、一社で巨大なマーケットを形成している。

日本で最大のネットショッピングモールである楽天の店舗数は30,000店程であり、登録ユーザー数も43,000人(日本の人口約1億2千万の 0.04%)程度であることを考えると、「タオバオ」がいかに巨大な市場を形成しているのかが判る(ユーザー・ベースで、タオバオは楽天の1,860 倍)。

タオバオは出店手数料の完全無料化や、中国の商習慣にマッチした決済システムの完備など様々な施策を実施し、米イーベイ(eBay)社などのライバルを抑えて圧倒的な支持を獲得している。

日本企業のモールも続々と開店、今後の健闘に期待

他方、2008年から2009年にかけて、中国のネットショッピング市場に参入する日系企業が増えている。

日本郵政グループの郵政事業株式会社は2008年8月、三越百貨店や赤ちゃん本舗社など7社を誘致し、中国語のネットショッピングモール「JapaNavi」を開設した。

またSBIベリトランスは2009年1月、同じく中国語の「バイジェイドットコム」を開設し、日本メーカーのデジタル製品や化粧品、アパレル製品などを武器に、巨大中国ネットショッピング市場に参入している。

もともと、中国上海北京での沿岸部では日本製のアパレルや化粧品などの人気が高く、タオバオなどでは個人輸入の日本製商品が販売されている。

つまり、日本からの個人輸入マーケットを取り返すべく、日本企業が自ら出店している格好だ。

このような日本企業の試みが、今後、成功するか否かを論じるのは時期尚早であろう。

しかしながら、現在の中国のインターネット市場は、決済システムなどのインフラの整備も進み、今後、その市場規模は益々拡大することであろう。

人口減と低成長に悩む日本のマーケットに留まらず、急成長する中国のネットショッピング市場に挑戦し、飛躍する日本企業がさらに増えることを期待したい。

china
SBIベリトランスの中国語サイト
「バイジェイドットコム」

中国への進出支援、販路開拓、市場調査、中国人アンケート調査、中国語 広東語 北京語 客家語翻訳・通訳の御問い合わせはこちらまで


ページの先頭へ