クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート 第30弾 – ロシア 2010年1月27日

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クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート
第30弾 – ロシア 2010年1月27日

新興国12カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの12カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

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ロシアの家電 ~多機能、高品質の追求~

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ロシアの古い形の洗濯機
洗濯槽が回転するだけ

ロシアの家庭における電化製品 ~過去~

例えば10年前、ロシアの一般家庭における電化製品の普及率は、決して大国の名にふさわしいものではなかった。電子レンジはおろか、全自動洗濯機、電気掃除機すら所有していない家庭も珍しくなかった。
日本で当時これらの家電を “持っていて当たり前” だったことに比べれば、ロシアの家電普及率は大きく遅れていたということになる。とはいえ、店の棚には先進国並みとまではいかないまでも、一通りの家電が揃えられていた。それらは外国メーカーのものが多く高価で、一方、安価なものは非常に質が悪かったため、ロシア人にとっては良質な家電購入は容易ではなく、憧れのようなものであった。
その後の高度経済成長により、家電販売市場が大きく広がり、またロシア人の生活も豊かになり、家電を買い揃えることは一種のブームとなった。ロシアの消費ブームを代表する現象の一つである。妻へのプレゼントに家電を買う男性の姿を、当時はよく見かけたものである。

ロシアの家庭における電化製品 ~現在~

現在、ロシアの大都市部では先進国並みに家電が普及している。各家庭には種々の家電が揃い、“家電つき” を売りに出している賃貸住宅も少なくない。
便利さへの追求は、家電の普及だけではなく、家電の使用が前提という商品の普及も後押しした。例えば、電子レンジの使用を前提とした加工食品などはこの数年で爆発的な伸びを見せている。家電は、都市部に住むロシア人にとって、今や過去における「憧れの商品」ではなく、生活に必須なものとなった。
昔は、店に並ぶ家電の多くは機能が乏しく、その分安価なものが主流であったように記憶している。多機能なものも販売されていたが、富裕層などの限られた人 向けで、高価なことも手伝い、そもそも家電を持ったことのないような一般消費者へ向けられたものではなかった。
しかし、家電の所有が一般的になり、それに伴い買い換えが増加している現在、家電選びにも変化が見られるようになってきた。

家電購入による「貯蓄」

日本に比べ貨幣価値の不安定なロシアでは、過去の社会主義体制の影響もあり、貯蓄額が少ない。お金は何らかの「物」の形にすることがロシアの個人貯蓄の特徴の一つである。
金融システムが安定しつつある今でもその傾向は少なからず残っている。2009年2月19日から20日にかけてRBK紙(ロシア経済紙) が実施したインターネット調査『経済危機における大型家電購入計画に関するアンケート』によると、「経済危機により家電購入を控える」、もしくは「経済危 機とは関係なく続行する」という回答とは別に、「購入計画はなかったが経済危機のため家電購入の形で貯蓄する」という特徴的な回答が6.4% (11,565人中742人)を占めていた。そのため家電には耐久性と高品質が常に求められており、これは昔も今も変わらない。
日本製の家電は、その点においてドイツ製家電と共に非常に高い評価を受けている。

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大手家電ショップの広告

多機能な家電

広い国土とは裏腹に、ロシア都市部に おける一般家庭の住宅は決して広いものではない。数の増えた電化製品の置き場に困る家庭も増えてきた。その結果、数を増やすことは以前ほど重要視されなく なり、最近では「いかに効率の良いものを選ぶか」ということに重点を置く消費者が増えてきている。これに応えるため、洗面台の下にすっぽり収まるサイズの 洗濯機に代表される省スペースを打ち出した商品など、家電の製造にも新しい工夫が凝らされるようになった。

例えば、ロシアの 重要な主食の一つであるパンを家庭で作るために、以前から日本の炊飯器に外見のよく似たパン焼き器がおよそ4,000~10,000ルーブル(約 11,086~27,716円、100円=36.08ルーブル換算)程度で販売されている。主流は、普通の白パンの他に黒パン、フランスパンなど多種 (10メニュー前後)に対応できるものである。さらに、同じ1台でジャムまで作ることのできる製品の評価が高く、そもそも、パン焼き器は多機能を追及して いる商品の1つであった。

そして、このパン焼き器の存在自体を脅かす可能性のある商品がついに登場した。レンジにグリル、トースター機能のついているものは既に市場に出回っている が、韓国のRolsenが出したレンジ(8,990ルーブル、約24,917円)は、パン焼き器の機能(生地をこね、焼き上げる)までを一体化したもの で、省スペース&多機能を明確に打ち出している。

ロシアの住宅は決して広くない。1台で何役もこなす “賢い” 家電は今後さらに重宝され、個人貯蓄として “投資” されるであろう。世界において、日本の家電というものは省スペース、多機能、高品質を反映した、最も賢い、投資されるにふさわしい商品ではないだろうか。

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