本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。
BRICs、NEXT11、VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。
代表取締役社長 中村知滋
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![]() ロシアの古い形の洗濯機 洗濯槽が回転するだけ |
ロシアの家庭における電化製品 ~過去~例えば10年前、ロシアの一般家庭における電化製品の普及率は、決して大国の名にふさわしいものではなかった。電子レンジはおろか、全自動洗濯機、電気掃除機すら所有していない家庭も珍しくなかった。 ロシアの家庭における電化製品 ~現在~現在、ロシアの大都市部では先進国並みに家電が普及している。各家庭には種々の家電が揃い、“家電つき” を売りに出している賃貸住宅も少なくない。 |
家電購入による「貯蓄」日本に比べ貨幣価値の不安定なロシアでは、過去の社会主義体制の影響もあり、貯蓄額が少ない。お金は何らかの「物」の形にすることがロシアの個人貯蓄の特徴の一つである。 |
![]() 大手家電ショップの広告 |
広い国土とは裏腹に、ロシア都市部に おける一般家庭の住宅は決して広いものではない。数の増えた電化製品の置き場に困る家庭も増えてきた。その結果、数を増やすことは以前ほど重要視されなく なり、最近では「いかに効率の良いものを選ぶか」ということに重点を置く消費者が増えてきている。これに応えるため、洗面台の下にすっぽり収まるサイズの 洗濯機に代表される省スペースを打ち出した商品など、家電の製造にも新しい工夫が凝らされるようになった。
例えば、ロシアの 重要な主食の一つであるパンを家庭で作るために、以前から日本の炊飯器に外見のよく似たパン焼き器がおよそ4,000~10,000ルーブル(約 11,086~27,716円、100円=36.08ルーブル換算)程度で販売されている。主流は、普通の白パンの他に黒パン、フランスパンなど多種 (10メニュー前後)に対応できるものである。さらに、同じ1台でジャムまで作ることのできる製品の評価が高く、そもそも、パン焼き器は多機能を追及して いる商品の1つであった。
そして、このパン焼き器の存在自体を脅かす可能性のある商品がついに登場した。レンジにグリル、トースター機能のついているものは既に市場に出回っている が、韓国のRolsenが出したレンジ(8,990ルーブル、約24,917円)は、パン焼き器の機能(生地をこね、焼き上げる)までを一体化したもの で、省スペース&多機能を明確に打ち出している。
ロシアの住宅は決して広くない。1台で何役もこなす “賢い” 家電は今後さらに重宝され、個人貯蓄として “投資” されるであろう。世界において、日本の家電というものは省スペース、多機能、高品質を反映した、最も賢い、投資されるにふさわしい商品ではないだろうか。
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ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |