クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート 第31弾 – バングラデッシュ 2010年5月25日

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クロスインデックス現地調査員による新興国12カ国レポート
第31弾 – バングラデッシュ 2010年5月25日

新興国12カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの12カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

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バングラデッシュ(Bangladesh)で急増する中古車販売店

バングラデッシュにおける日本車の人気

バングラデッシュでは、自動車を100%輸入に頼っており、そのうち約80%以上が日本製の車と言われている。
初めてバングラデッシュを訪れた日本人が街の中を新品同様の日本車やボルボ社、メルセデスベンツ社等の大型バスが多く走っているのを見て後進国のイメージを改めるほど、現在のダッカDacca)市内には新しく綺麗な車が多い。
トヨタ、日産をはじめとする世界的に有名な自動車メーカーの正規代理店はもちろんのこと、街の至る所に中古車を取り扱う販売店があり、「車を買いにいくならこの場所へ」と言われるほど中古車販売店が軒を連ねている地区もある。特にここ数年は、店舗を持たなくとも中古車の輸入販売をする人たちが増えており、その背景には、バングラデッシュの経済の発展と共に日本の厳しい車検制度の恩恵と、日本人の「綺麗な車が好き」という国民性があると言われている。日本の中古車は、たとえそれが事故を起こした車であっても、それが分からないほど綺麗に修復されており、新車と何ら変わらない。バングラデッシュでは、中古車というのは日本車のことを指しており、実際、中古車シェアの90%以上が日本製である。

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バングラデッシュの庶民の足

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ダッカの道路の様子

バングラデッシュの中古車事情の移り変わり

1980年代後半のバングラデッシュでは、自家用車を持つことができるのはごく一部の富裕層に限られていた。したがって、中古車販売店はダッカ市内でもわずか3~4件しかなかった。
1990年代半ばになっても、古い車が黒い排気ガスを出しながら走っていたような状況で、人々は車体やエンジンがボロボロになっても修理して使い続け、動く車なら窓ガラスやライト、ミラーが欠損していても重宝されていた。ダッカ市内にある自動車教習所の練習に使われていた車の中には、当時日本での生産が終了していたトヨタのパブリカ(Pubrica)もあった。
2000年に入ると、バングラデッシュ国内の大気汚染が問題になり、黒い排気ガスを出す古い車に規制がかかった。これを受けて代替燃料として天然ガス(CNG(Compressed Natural Gas))が使えるように開発がなされ、同時に中古車の輸入にも規制が敷かれた。実状は日本からの中古車そのものに規制がかかったわけだが、製造から4年以上経っている中古車は輸入できなくなってしまった。それまでは日本だったらスクラップにされるような古い車やリース車がバングラデッシュに輸入されていたのだが、新しい法律は極端に厳しすぎた。新車を買った人が4年間乗って買い換えることは滅多に無く、したがって、バングラデッシュに輸入される車が減り、既に輸入されていた中古車は留まるところを知らずに値上がりし、一時期中古車業界は輸入業者も販売業者も、そして車を買いたい人々も混乱した。
現在は更に法律が変わり、製造から6年経った中古車までなら輸入できるようになっている。

バングラデッシュの中古車価格

バングラデッシュ政府は、あらゆる輸入品に高額な税金を掛けているが、自動車も例外ではない。中古車にかかる税金は車の正規価格の150~350%に設定されており、そこから、車の年式、車種等により変動する仕組みになっている。例えば、バングラデッシュで、最も人気のある車、トヨタカローラ1500ccの場合、2005年に製造されたカローラを2009年に買うとすると、税金だけで50万タカ(約65万円、1タカ=1.3円換算)かかる。輸送費等の経費を入れれば店頭価格は約130万タカ(約169万円)にもなる。正規ディーラーから新車を買うと、税金の優遇措置があるものの、同じ車が約200万タカ(約260万円)になる。この価格は、バングラデッシュの平均的な家族が住んでいる2~3部屋のマンションが250万タカ(約325万円)で購入できる事と比べれば、いかに高い買い物か分かるだろう。

バングラデッシュの中古車販売仲介業

バングラデッシュの車の販売店には、先述の新車しか取り扱わない自動車メーカーの正規代理店と日本から直接輸入した中古車販売店以外に、バングラデッシュ国内で使用した中古車の販売店がある。しかし後者の場合はそのほとんどが店舗を持たない仲介(業)者である。つまり、販売する車を店に置く余裕がないほど、中古車が売れるのだ。バングラデッシュでは、車は日本と違って消耗品ではない。売ろうと思えばいつでも高く売れ、財産にもなる。バングラデッシュでは、需要がまだまだ期待できる。
バングラデッシュの輸入業者にとっては、少しでも安く質の良い中古車を提供してくれる日本の輸出業者を探すことが目下の課題となっている。

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ダッカ市内の中古車販売店

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