クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第34弾 – マレーシア 2011年1月7日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第34弾 – マレーシア 2011年1月7日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、マレーシア、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

マレーシアにおけるアルコール飲料事情

マレーシアのアルコール飲料とマーケット規模

マレーシアでは国教がイスラム教であり、敬虔なイスラム教信者であるマレー人はアルコール飲料を一切飲まない。
マレーシアの人口約2,700万人のうち、マレー人が占める割合は約65%であり、中国系が25%、インド系が10%とされることから、全人口の約30~40%を占める中国系またはインド系マレーシア人が、ビールやリカー類を含むアルコール飲料マーケットの消費者であると推測される。

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ムスリムのモスク

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マレーシアにおけるアルコール飲料の市場

マレーシアでは英国のギネスやデンマークのカールスバーグなどのビールが主流である。これらの外国銘柄は、ライセンス契約に基づきマレーシア国内で生産販売されている。一方、マレーシア国内銘柄として、ギネス社はAnchor、カールスバーグ社はSKOLをマレーシア国内工場で生産している。また隣国シンガポールのTigerも人気が高い。これらのビールは、(酒税が高いとはいえ)350ml缶が5RM前後(約150円、1RM=30円換算)と、日本の標準価格よりは安く売られている。
ウイスキーやジンなどのリカー類も、マレーシア国産銘柄の場合、質は良くないが750mlが30RM前後(約900円、同)と、比較的安価で販売されており、供給は充実している。
しかし、これらのアルコール飲料はマレーシア人の平均世帯収入約3,700RM(約111,000円、同)からすると、かなり高価な飲み物であるのが実状だ。

自家醸造キットやアルコール飲料関連商品へのニーズ

マレーシアの法律では自宅での醸造を禁じていないが、日本でみられるような自家製ワインやビールの醸造キットはどこにも見当たらない。実際のところ、自家醸造キットのマーケットは手付かずの状況にあるようだ。しかし、筆者の知人や行きつけのリカー類販売店などで聞く限り、「店に自家醸造キットを並べてみたい」、「自家醸造を学んでみたい」などの反応も多く、自家醸造への高い関心がうかがえる。
また、ビジネスで成功した中国系マレーシア人には西欧文化を積極的に吸収したいという傾向も見られる。
今後は自家醸造キットをはじめ、ワインセラーやその他のワイングッズなど、アルコール飲料関連商品への需要が高まるものと期待されている。

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高層ビルが建ち並ぶ 首都 クアラルンプール

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