クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第44弾 – 南アフリカ 2011年7月1日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第44弾 – 南アフリカ 2011年7月1日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

安価でチアフルなワインから高品質志向へ~国際的な評価が高まる南アフリカ産ワイン

ワイン製造350年の歴史を誇る南アフリカ

南アフリカ共和国(Republic of South Africa)のワイン産業は近年急成長を遂げており、2003年以来、ワイン産業のGDP(国内総生産)寄与率は年10%以上の成長率を保持している。現在南アフリカでは10万1千ヘクタールを上回る葡萄が栽培され、ワイン産業(生産・梱包・観光)には25万人以上の人員が雇用されている。

南アフリカワイン生産量は世界のワイン生産国の中で第9位の位置を占め、世界のワイン生産量の3%に寄与している(2005年)。南アフリカ南西のケープ地域で国内初めてのワインが作られたのは1659年であり、以来西ケープ州を中心としてワイン用葡萄ワイン生産が盛んに行われ、同州経済の8.2%に寄与しているほどである。

南アフリカ全国の酒店では5リットル60ラント(580円、1ラント=9.6円で換算)といった低価格ワインから海外市場で人気の高級志向ワインまで、多種の南アフリカ産ワインが販売され、人種を問わずにワイン南アフリカにおいて人気の高いアルコール飲料である。

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輸出マーケットを拡大する南アフリカ産ワイン

南アフリカ産ワインはその輸出マーケットを拡大しつつあり、2006-7年にかけては8%の輸出の伸びを示している。2007年の主な輸出相手国はイギリス(UK)、スウェーデン(Sweden)、オランダ(Netherlands)、ドイツ(Germany)、デンマーク(Denmark)、アメリカ(USA)、カナダ(Canada)、ベルギー(Belgium)である。

南アフリカ産ワインは以前から国際市場に出回っているが、そのイメージは安価でチアフル(Cheerful)というものが強かった。しかし最近では、南アフリカ産高品質ワインに国際的な評価が高まり、注目を集めている。南アフリカ産ワインの輸入が2002年の200万リットルから2007年の1000万リットルに伸びたアメリカでは、南アフリカから安価に大量輸入されたワインをアメリカ国内販売店独自のブランド商品として再包装されることが多い。しかし最近では、南アフリカ産高品質ワインワイン業界で高く評価される傾向があり、クオリティの高い高価格レンジの南アフリカ産ワインの人気が高まっている。

アメリカ大統領バラク・オバマ氏も、大統領選勝利の折に南アフリカグラハムベックワイン社(Graham Beck Wines)のGraham Beck Brut NVで乾杯したことが知られるが、欧米諸国における南アフリカ産高品質ワインの人気を裏づけている。

南アフリカ産ワインの日本市場におけるポテンシャル

現在のところ、南アフリカ産ワインの日本への輸出は小規模であるものの、輸出は近年伸びの傾向を示しており、南アフリカのワイン業界にとって、日本市場は今後さらに開拓していきたい輸出市場の一つとして捉えられている。

日本のワイン産業にとっては、低価格ワインから国際的な支持をあつめる高品質ワインまで、幅広いバラエティを誇る南アフリカ産ワインは今後日本で人気を高める可能性が大いにある。また、南アフリカのワイナリー(ワイン醸造所)を訪れて各種ワインを体験するワインツアーの企画や、実際のワイン農場の経営など、南アフリカ現地においてワイン産業へ参入する機会もあり、日本のワイン産業にとって魅力的で将来性のあるビジネスチャンスとして、南アフリカが注目される。

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