クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第45弾 – フィリピン 2011年7月1日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第45弾 – フィリピン 2011年7月1日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

ホットなフィリピン携帯戦線

SMSの次はガジェット

先日、日本の総務省がフィリピンの地上デジタル放送に日本方式を採用するよう働きかけていることが報道された。携帯電話など移動体通信向け地上デジタル放送「ワンセグ」は、日本方式のみ可能なため、携帯電話の普及率が高いフィリピンでアピールポイントになっているのだそうだ。

インターネットも含めニューメディアが進捗するなかで、確かにいちばんのホットスポットは携帯である。大小の島々から成るフィリピンでは、マニラ首都圏等を除きケーブルを使用した電話線網はあまり整っておらず、その代わりに島という島に至るまで携帯の電波を中継する鉄塔が建っている。

フィリピンでは、携帯端末はプリペイドポイントが少なくてすむSMS(ショートメッセージ)をやりとりするツールにすぎなかったのだが、成人1人に1台というほど普及するようになり、状況は変わってきている。高価な電化製品をそうそう買えぬ大衆層が、1台の携帯に過剰なマルチプレーヤーぶりを求めてきているからだ。

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わりとベーシックであったNOKIA1650
2008年モデル
チャイナフォンと呼ばれるイミテーション

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カメラ等ハイテク機能を多数装備

コンピュータと同じことを

コンピュータなんて高嶺の花、周辺機器なんてとてもとても、という層が希望を託すのがカメラ付携帯電話である。そういう高機能携帯には、文字や音声・画像などを送受信できるMMSやBluetooth、TVphone機能、MPシリーズ等が備えられ完結している。だから、他に何も買い足す必要がなく、ラップトップ、デジカメという風に、ひとつひとつ揃えていくより“お得”と捉えられている。

もちろん、ガジェットは所詮ガジェットで、得られる画像や音声の品質は劣るのだが、本物か偽物かにこだわらぬ一般的フィリピン人はそれで良しとしている。より高品質のモノを求めていくというよりは、ニューテクノロジーに“嵌った”若い人たちは玩具感覚で携帯端末を捉えているからか、借金してまで新しいデザインのニューモデルに乗り換えていく傾向がある。

インターネット普及に向けて

フィリピンでは、携帯にセットするSIMカードを提供しているSmart、Globeの2社が携帯電波市場を寡占状態で、その電波網を利用しブロードバンドサービスも提供している。だが、1か月999ペソ(アクセス無制限)とフィリピン大衆にはまだまだ高いために、普及には時間がかかりそうである。だが、日本のように携帯でも気軽にインターネットが見られれば、一石を投じられフィリピンマーケットに風穴を開けられるのではないだろうか。

フィリピンで人気のある携帯メーカーは、順にNOKIA、LG、SAMSUNG、ERICSSON、ALCATELといったところで、
NOKIAなどは素人でもモデルNo.を熟知している。日本メーカー製は見たことがない。携帯端末市場から入ってブロードバンドを攻めていくのは、フィリピンでは邪道ではなく正攻法といえるはずだ。

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アンテナ
Smartの3G携帯電波ブロードバンドを利用

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