クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第50弾 – 中国 2011年7月26日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第50弾 – 中国 2011年7月26日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

中国の「食の安全」意識の高まりと有機野菜ビジネスの興隆

毒入り餃子事件は中国人の「食の安全」意識にも影響

2008年は中国産毒入り冷凍餃子の事件などの影響で、日本における中国産食品安全性が問題となった。もちろん、「食の安全」にこだわるのは日本人ばかりではない。

安全なものを食べたいという気持ちは中国人も同じだ。それゆえ、上海北京などの大都市では、有機野菜ビジネスが盛況となっている。

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「野菜は洗剤で洗う」のが中国人消費者の常識

そもそも、中国の消費者は野菜や果物の残留農薬に対する警戒心が強い。上海北京などの都市部では、野菜は調理前に洗剤で洗い、残留農薬を洗い落とすのが常識となっている。

これは富裕層のみならず、大衆層でも同様だ。ボールにためた水に一定量の「専用」洗剤を入れ、漬け置きする方法が一般的。トマトなら何分、葉野菜なら何分、といった「標準時間」がまことしやかにささやかれていたりする。

市場やスーパーで売られている普通の野菜の10倍程度と高価格になってしまう有機野菜だが、このように残留農薬に対して敏感な消費者が多いだけに、広く受け入れられる下地があるとも言えるのだ。

現在のところ強いのは現地資本の「都市野菜」

上海だけでも約2000万人という巨大な胃袋を狙って、各国の資本が有機野菜の販売に乗り出しているが、やはり強いのは現地資本だ。乳製品大手の光明集団傘下の「都市野菜」は上海市内有機野菜の専門店を百数十店舗を運営、主に高所得者層の支持を得ている。

また、四川省のある村では生産する野菜のパッケージに生産者の顔写真や氏名、使用した肥料などの情報を載せ、「中国版トレーサビリティ」の実践例として注目されている。成都市や香港など都市部のスーパーで販売されているという。

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アサヒビールも山東省に農地を設けて参入済み

もちろん日本企業も負けてはいない。アサヒビールは2006年の夏に山東省莱陽市にて農地経営を開始、スイートコーンやプチトマトなどの有機野菜を生産、上海など近郊の都市に出荷している。

また上海では、現地に住む日本人向けに有機野菜の宅配ビジネスを行う中小の業者が数社あり、おおむね好評を得ているようだ。さらに、上海では2008年7月、千葉銀行など地方銀行9行が合同で「日本食品展示商談会in上海」が開かれ、無農薬野菜を含む日本の食品メーカー約140社が参加し、中国企業のバイヤーも多数訪れた。

中国有機野菜マーケットで日本企業が一歩リードする契機となることを期待したい。

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