クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第58弾 – フィリピン 2011年10月21日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第58弾 – フィリピン 2011年10月21日

新興国19カ国レポートについて

本レポートは、海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業様や、海外の政策や法律動向を見ておられる官公庁様、さらには学校法人様、現地事情にご関心のある個人の方に向けて執筆しております。

BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、インドネシア、中国、マレーシア、メキシコ、タイ、バングラデッシュ、南アフリカ、ロシア、ブラジル、ベトナム、韓国、フィリピンの19カ国を対象に、クロスインデックスの現地調査員の情報提供の下に配信してまいります。また、今後、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、インド、パキスタン、ナイジェリア、イランなどの国々を追加していく予定です。

代表取締役社長 中村知滋

物腰柔らかなフィリピン人

何ごとにおいても曖昧

フィリピンに進出せんとする日本の企業・団体が多いことが明らかになってきたので、今回は、実際にどんな風にフィリピン人とビジネス交渉をしたら、話を進めやすく、こちらのペースになりやすいか考察してみる。

フィリピン人は英語も公用語としているのに、たいへんインダイレクトな話し方をする国民である。英語で持って回った表現をし、要点が掴めないときもある。英語は最初にイエスかノーか明らかにし、要点に直接切り込んでいくダイレクトな言語だが、フィリピン人のメンタリティはその対局にある。

他国に左右され他国を利用してきた歴史的背景や、富める者は富まざる者を助けて当然とのカトリック的背景から、フィリピンでは“他人の褌で相撲を取ろうとする”人が多い。また、常に他人と比較する尺度で価値を測るのも、フィリピン人の特徴である。いってみれば、相手の顔色を見て態度を変える側面が強いのである。

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マニラ首都圏マカティ市内
MRT(高架鉄道)ステーションにて

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製品保証書
記されている保証内容通りに
機能することは少ない

相手の落ち度を責めず

イエスでもノーでもない、グレーゾーンだらけなのがフィリピンである。政府組織が腐敗しているからというのでなく、“グレーゾーン”は社会生活に慣習化している。一例を挙げると、製品保証の曖昧さがあって、日本で1年間の製品保証というと製品に欠陥があったとき無償交換は当然だが、フィリピンでは無償交換に応じぬことが多い。

驚くことに、フィリピンでは1年保証というと1年間無料で製品をチェックアップしますよという意味でしかないのである。たとえファクトリーディフェクトであっても、交換となればユーザーが自腹を切らねばならぬ。しかしそれでも、保証書にはファクトリーディフェクトなら無償交換すると記されている。

綻びを前提とした付合い方

日本人であれば「詐欺だ」といいだすところだが、フィリピンではまだまだそれが常識なので誰も文句などいわぬ。たとえマニラ首都圏でも、店頭に並んでいる商品はもちろん物販体制、社会システムに至るまで不備が多いので、トラブルと付き合い、辛抱強くやっていくことに慣れているのである。

そういうフィリピン人に関東弁式に単刀直入に切り込んでいけば、拒絶反応に会ってしまうことも多い。交渉の相手や背景に、想像もつかぬバックグラウンドが控えることもあるので、フィリピン人同士タガログ語での交渉では、独特のいい回しでやんわりと探りを入れていくのが普通である。

矛盾だらけのできごとに怒って、対決姿勢を示しても、なんの解決にもならぬのがフィリピンである。“我田引水するか、されるか”の人間関係がフィリピン社会のあり方なのだから、じっくりと相手の出方を見極めながら、かつこちらが譲歩できぬラインを守っていくことが大切である。

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中産階級が多く暮らす
マニラ首都圏マカティ市内住宅地

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