クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第65弾 – トルコ 2012年02月28日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第65弾 – トルコ 2012年2月28日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

物流網の整備が進むトルコ

リーマンショック後の回復基調が目覚しいトルコ経済

東はイラン、イラク、アルメニア、西はブルガリア・ギリシャと、東洋と西洋の中間に位置するトルコトルコ経済は過去8年間に渡り目覚ましい発展を遂げてきた。
大幅な景気後退を示しているユーロ圏の2011年の実質GDP成長率が-1.4%と深刻な中、トルコは7.5%と好調を維持している。人口構成の若さ、豊富な天然資源、2007年以来単独政権を維持している公正発展党の欧米及びイスラム圏との上手な外交による好調な経済パフォーマンス、EUとの関税同盟などをベースに、今回のリーマンショックも比較的うまく乗り切り、今、世界の注目を浴びている。

2011年12月に日本トルコ経済委員会を訪れたアリ・ババジャン副首相(経済・財政担当)は「トルコでは対日自由貿易協定(FTA)の検討が進んでいる。」と述べ、年明け早々訪トした玄葉外相とトルコのダウトオール外相の間では、病院や橋などの建設を含む日本の経済協力強化で話し合いが一致した。

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運輸インフラの整備が進むイスタンブール

地政学的に重要な位置にあるにも関わらず、トルコが過去にその優位性を十分に活用できなかった大きな理由の1つは、ヨーロッパ大陸とアジア大陸にまたがる大商業都市イスタンブールの交通手段であった。ボスポラス海峡を横断する交通手段は2本の道路橋とフェリーなどの船舶のみであり、人や物の大量輸送が困難であった。
第11、第2ボスポラス大橋合計の交通量は1日約33万台。これまでは住宅地区であったアジア側と商業地区であるヨーロッパ地区を繋ぐこの2つの橋梁は慢性的な交通渋滞が発生している。さらに、大量の排気ガス発生による大気汚染、エネルギーの過剰消費は深刻な問題となっている。特に、週末前の通勤ラッシュでは1km余りの橋を渡るのに1時間半以上は軽く費やさなければならない。

オスマントルコ時代の1860年からボスポラス海峡横断トンネル構想が練られ、2011年大成建設が沈埋工法による世界最深部での沈設を成功させ、ヨーロッパ大陸とアジア大陸が鉄道トンネルで結ばれた。2012年、または遅くとも2013年には完成しサービスが開始されると、イスタンブールでの公共交通における鉄道利用が3.6%から27.7%に上昇し、東京60%、ニューヨーク31%に次いで世界3位となることが見込まれている。

イスタンブールのボスポラス海峡第3大橋を架けようという「北マルマラ自動車道路計画」の入札が2012年1月10日に実施された。これは橋だけでなく、高速道路、接続道路の建設も含まれる。トルコの工業都市であり、またトルコ第3の大都市であるイズミル市とイスタンブールを結ぶ高速道路プロジェクト。この自動車道路が完成すれば、トルコの繊維・衣類などの軽工業、また2011年204億78万ドル(前年比17.4%増)とトルコ輸出産業トップに立った自動車産業の中心部であるマルマラ海地方、エーゲ海地方にとって、大きなメリットとなる。この2つの橋梁の完成は今後のトルコ経済をさらに活性化させ、海外企業の進出がますます増加することは明らかである。

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