クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第74弾 – タイ 2012年06月20日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第74弾 – タイ 2012年6月20日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

タイ教育において高まる塾の役割

タイは学歴社会である。あらゆるリクルートにおいて学歴が非常に重視される。これは必ずしも有名大学を卒業することを意味してはいない。学士を所持しているかどうかがポイントとなる。そのため近年では小学生のうちから私立の塾に通わせる家庭が非常に増えている。

実際、タイ教育省私立教育委員会(OPEC:Office of the Private Education Commission)によると、2010年のタイ国内における私立塾の数は4,000校に上り、バンコクだけでも1,600校を数えている。実に毎年10%の増加率である。

タイのKUMON教室

ほとんどはタイ人の経営する私立塾であるが、近年では日系有名私立塾による現地での教育も展開されてきている。主にバンコクの駐在員家族、日本人学校の生徒を対象にしている。その中で現地のタイ人学生を対象にして経営を拡大しているのが公文である。

現在、タイ公文KUMON THAILAND)の公式ホームページによると、タイの全国の公文教室は115教室に及ぶ。内訳はバンコク48教室、中部19教室、東部7教室、東北部17教室、北部14教室、南部10教室であり、ほぼ全県を網羅している。地方の小さな町にもKUMON教室を見かけることができるのは驚きである。

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第二外国語への取り組み

タイでは公務員の副業が認められているため、公務員の教員の多くが放課後や週末に自宅などで塾を経営している。OPECの調査によると、学習料金が最も高いのは英語で、平均200バーツ/時間、続いて数学が100バーツ/時間である。

日本の塾と違い、タイでは大勢の生徒が一度に集まってそれぞれ問題を解き、指導者が各生徒を見て回る形式のため、塾経営による利益率はとても高い。加えてタイの多くの高校では日本語学科が開設されているため、日本語の塾に通う生徒も増えている。

タイは他の東南アジア各国と共に2015年の「ASEAN共同体」を目指しており、英語に加えた第二外国語への取り組みをタイ政府が強力に推進している。今後、外国語を中心とした学習塾の需要は一層大きくなるだろう。

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