クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第75弾 – インド 2012年06月20日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第75弾 – インド 2012年6月20日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

インドの根強い菜食主義と日本食の受容性

インドの菜食主義の現状

インドの衣食住の文化は独特である。インドの伝統的な服であるサリーやパンジャビスーツなどに代わりジーンズを好んで履くようになった現代でも、特に食文化においてはインドらしさがまだまだ根強く残っている。インド料理は香辛料を使うカレーのイメージが強い。しかし、その中でもベジタリアン(菜食主義)とノンベジタリアン(非菜食主義)とに食事がはっきり分けられている様は、かなり特徴的である。

レストランに行くとメニュー全てには必ずベジタリアンを象徴する緑色マークとノンベジタリアンを象徴する赤色マークが示されている。露店でさえも看板に目立つようにベジタリアンレストランと掲げられている。また、買い物する際も、スナック、インスタント製品、飲料、石鹸、歯磨き粉等の日用品全てに必ず緑色と赤色マークがぺたりと貼られている。

日本や外国からの輸入製品に関しても同様で、しっかりと緑色と赤色マークで区分されている。ある統計ではインド人口全体の20~42%がベジタリアンだと言われている。ヒンドゥー教、ジャイナ教およびシーク教等の宗教理由によるベジタリアン率も多いが、人気俳優等が健康志向やスタイル維持のためベジタリアンになる人々も多く、その傾向でインドの若者はベジタリアンになる者も多い。海外で人気のあるヨガやアユルベーダもベジタリアンであることが基本だ。たとえノンベジタリアンでも日本人のように1日三食欠かさず肉類が食事に入っていることはなく、1週間に1度などノンベジタリアン料理を口にするのが一般的である。

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インドの流行に乗るためには

最近、海外から大型ファーストフードチェーン店が続々インドに入り込んでいるが、メニューは他国で展開されているものとはかなり違い、ベジタリアンインド人に合った料理が用意されている。日本レストランでさえも、寿司等の典型的な日本料理にベジタリアンメニューが盛り込まれている。欧米等では現在ベジタリアン人口が増え、ヘルシーで低カロリーである豆腐や海藻類の日本食が人気上昇している。インドでもTofuという名前で豆腐が売られるようになった。

しかし、日本人の味覚からすると、その豆腐の味はかなり日本のそれとはかけ離れたものがある。豆腐の柔らかさも出ていない。日本食の本当の味がベジタリアン料理に生かされればインド人はもっと好んで食べるだろう。インドでは「日本食=ノンベジタリアン」というイメージが非常に強く、日本食を試すことに抵抗を感じるインド人も多い。精進料理など菜食を主としていた日本の昔ながらの味が日本レストランで味わえることがインドでこれから成功する秘訣だと感じる。

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