クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第79弾 – インド 2012年8月24日

india

クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第79弾 – インド 2012年8月24日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

インドにおける地球温暖化と新エネルギー事情の動向

インドの真夏と地球温暖化

インドの真夏の時期ほど、地球温暖化の問題を深刻に感じることはない。デリーの夏は最高気温で45度程になる。一斉に冷房などに電気を使用する為、多すぎる人口に対する総発電量が不足し停電が頻繁に発生する。その間冷房は使用できず、自家発電機がある場所のみが涼しい。自動車普及率の上昇で渋滞もひどくなる中、CO2排出量の増加や大気汚染も深刻である。建設ラッシュにより山が削られ森林破壊が急速に進んでいる。少し裕福なインド人の家庭にはエアコンが何台も設置されており、家の中は涼しいが、外に熱風が吐き出されている。

現在世界中でインド経済が注目されているが、人口は増加傾向にあり、その皆々が先進国の様に便利で豊かな生活を望めば、今以上の環境破壊は免れないだろう。地球温暖化の原因は人間が自分にとって都合のいい生活だけを望んだ結果だと言われている。私たちは、電気、ガスや自動車を思うままに使用し、暮らしのために森林を破壊し、食事を肉食化へと変えていった。日本では今回の東北地方太平洋沖地震により原子力発電問題を深刻に考える機会を与えられるとともに、電気のない生活は私達にはどれほど難しいことなのかを痛感するようになった。インドでのエネルギー事情はどうなっているのであろうか。

india

india

インドの新エネルギー事情

現在インドの電力に用いられる主な燃料は石炭である。再生可能エネルギーでは小規模水力発電、風力発電およびバイオマスで、太陽光発電の割合は全体の0.1%程である。インド政府が発表した「Jawaharlal Nehru National Solar Mission」においては、2020年までに太陽光発電の設備容量20GWを目標としている。2050年までには再生可能エネルギーの割合を約70%にまで伸ばす予定であるという。しかし、ソーラーパネルをインド国内で製造するよりも、中国で製造し輸入するものを使用する方がコスト的に安くつくのが現状である。

ソーラーパネルはインドでは高級品である。グジャラート州では砂漠という自然条件を生かす「ソーラーパーク」建設および太陽光発電の電力売買契約の話がある。一方、インドの衛星打ち上げに魅力を感じる韓国は原子炉建設を提案し、両国は昨年原子力協力協定に署名した。原子炉20基が稼働するインドはさらなる増設を続けている。今後、インドでのさらなる経済発展により、電力需要が増加の一途をたどるのは明白であり、インド政府はさまざまなエネルギー源を用いた安定供給を目指していくであろう。

インドへの進出支援、販路開拓、市場調査、インド人アンケート調査ヒンディー語タミル語翻訳通訳の御問い合わせはこちらまで


ページの先頭へ