クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第83弾 – トルコ 2012年11月06日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第83弾 – トルコ 2012年11月06日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

アフリカで躍進するトルコ企業

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トルコ人実業家の注目集めるアフリカ

トルコ人実業家の注目を浴びているのが「アフリカ」である。
「ヨーロッパで労働者として蔑まれるくらいなら、アフリカに行って王様扱いされよう」というスローガンを掲げている、外商関係機関(DEIK)トルコ・アフリカ実業評議会コーディネーター、タメル・タシュクン氏はトルコの対アフリカ貿易についてこう意見を述べている。
「アフリカでのトルコ人のイメージは信じられないほどいい。トルコ製品はヨーロッパと同じような品質なのに、ヨーロッパ製品よりも安い。だからアフリカの人はトルコ製品を選ぶのです。2002年にアフリカとの貿易額は40億ドルだったのが、現在は220億ドルにまで上りました。近年トルコ企業のアフリカ進出は目覚しく、建設業などはナイジェリア、ガーナ、エチオピアにも進出しています。」

トルコに対するアフリカの親近感

現在「アラブの春」で揺れているアフリカ北部は100年ほど前までオスマン朝トルコの領土であったし、その他のアフリカ諸国ともかつてはトルコと関係が深かったが、第一次大戦での敗戦後にこれらの領土を失うとすっかり脚が遠のいてしまっていた。現在アフリカ諸国は78億ドルもの貿易額に加え、GDPが1兆600億ドルにも上っているにもかかわらず、トルコ企業が本格的に進出を促進し始めたのはつい最近のことだ。石油開発も進み、次第に裕福になってきているアフリカ諸国は、トルコにとっても魅力的な市場である。アフリカの人々はよりよい住宅に住み、白物や家具を揃え、車を買いたいと思うだろう。そのすべてをトルコは生産可能である。アフリカ54カ国のうち、いくつかは政情不安な国もあるが、投資をせず、製品の販売をするだけならば何の支障もないとタシュクン氏は語っている。しかもアフリカ諸国のほとんどに、トルコ人はビザ無しで入国することができる。トルコからアフリカ諸国への航空便も日々増加してきている。アフリカにはイスラム教徒も多いので、トルコ人に対する親近感も高いそうである。

筆者が10年ほど前に飛行機でたまたま隣になったトルコ人が、乗り換え便でベニン共和国に行くところであり、現地でトルコ製のポロシャツを販売しているが、よく売れているということだった。その頃と比べるとトルコの対アフリカ貿易は発展し、現在トルコは繊維だけではなく重工業製品も輸出しており、また建設も手がけるようになってきている。
長年ヨーロッパで肩身の狭い思いをしてきたトルコであるが、アフリカで歓迎を受けて今後ますますの進出を図ることが予想される。

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