クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第84弾 – タイ 2012年12月05日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第84弾 – タイ 2012年12月05日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

タイのコールセンター事情

日本企業のコールセンターは、近年ほぼアウトソーシングに移行しており、サポートセンターの拠点も仙台市や札幌また沖縄、とロケーションフリーが常識である。電話網やPBX(電話交換機)のIP化が遠隔拠点のカスタマーサポートを可能にしている。さらにコールセンターのアウトソーシングを海外に展開する日系Sier(情報通信系システムインテグレーター)も増えており、タイも選択肢の重要な一カ国と言えよう。バンコクにコールセンターを展開する日系企業としては、日本のテレマーケティング大手のトランスコスモス社やもしもしホットラインなどがある。

タイでの収入と生活

タイコールセンターを構築する主なメリットとしては、コールセンターへの優遇政策や安価な人件費、オフィス家賃をあげることができる。日本人が就労ビザと就業許可証を取得する上でのおおまかな条件には、日本人の給料が50,000バーツ以上であることや外国人労働者一人に対してタイ人従業員を四人雇用することなどがあるが、コールセンター業務はタイ投資委員会(BOI)の優遇措置を受けることができ、外国人採用の規制が緩和されている。人件費は日本国内に比べてかなり抑制されており、おおよそ月30,000バーツ前後(約8万円)、時給は200バーツ(約540円)の求人が多い。
バンコクで生活する場合はライフスタイルにもよるが、生活費としては、家賃や光熱費、食費込で15,000バーツもあれば十分なことを考えると、海外で仕事をしプライベートも楽しみたい若者にとって、タイの日系コールセンターはフィットしているのかもしれない。さらに日本に比べてオフィスの家賃はお得感がある。バンコク中心部で交通の便がよいオフィスビルでも、相場は350~800バーツ(約950~2,100円)/㎡である。

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日本企業のタイ進出

日本のテレマーケティング市場規模は2010年で6,113億円、コンタクトセンターCRMソリューションの市場規模は同じく2010年で4,507億円である。いずれも年0.7-2.0%の増加を今後も続けていくと見込まれている。
同時に日本国内のテレマーケティングは、ますます低価格で品質の高いカスタマーサービスという志向になっている。当然オフショアのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は不可欠な選択肢となっていくに違いない。
昨今のバンコクは先進的なショッピングモールや商業コンプレックスが立ち並び、日本料理店や日系アパレル企業の進出が目覚ましく、我々在留邦人は何不自由のない生活を送ることができる。加えて近年、外資系データセンターもタイ投資委員会(BOI)の特典が受けられるようになった。自社データセンターとコールセンターという組み合わせでタイへの投資も可能になっている。
タイへの進出においては、タイ独特の文化や言語という難しさもあるが、それらを十分に理解したエキスパートのサポートを得ることで、閉塞感の漂う日本という市場からオフショアに新たな活路を見いだせる日本企業も増えていくであろう。

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