クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第85弾 – トルコ 2012年12月05日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第85弾 – トルコ 2012年12月05日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

トルコで躍進する韓国企業

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市場にあふれる韓国製品

最近トルコでも減速しているように感じられる日本企業に比べ、勢いを増しているのが韓国企業である。自動車ではHyundai、KIA、家電ではDaewoo、Samsung、といった韓国メーカーの製品が市場にあふれ、これらの関連企業もトルコに次々と進出してきている。駐在員を削減している日本に比べ、韓国は次々と駐在員を派遣している。中でもテレビやスマートフォンではSamsungが急激にシェアを伸ばし、若者が持っているスマートフォンはiPhone以外はほとんどがSamsungになっている。一昔前はテレビやオーディオはSonyやPanasonicでなくては、と言っていた人々が今はSamsungを選ぶようになっており、日本人としては寂しい限りである。

トルコとの関係

トルコ韓国の友好関係は朝鮮戦争の頃から続いている。当時トルコはNATOに加盟するため、アメリカに次いで多い合計約5万人の兵を朝鮮に派遣した。戦死した741名のうち600名ほどの墓が釜山にある。負傷兵は日本で治療を受けたと言うので、朝鮮戦争に行ったお年寄りで日本に行ったことがある人に会うことがよくある。今はもうかなりお年を召した方ばかりになってしまったが、一昔前までは朝鮮戦争帰りの人が経営する店や会社に「コレリ(Koreli・韓国人)」という名前がつけられていたり、彼らにコレリというあだ名がついていたりすることがあった。このようにトルコの人々が韓国人に対して親近感を抱いていることがうかがえる。

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相互貿易の現状と将来

現在両国間の貿易量は約68億ドルであるが、このうちの90%以上が韓国からトルコへの輸出で占められている。トルコから韓国に輸出されているのは、石油化学製品、鉱物油などが主で、繊維製品もポテンシャルが高いにもかかわらず韓国でまだ知られていないのが現状である。2012年8月にはトルコと韓国の間の自由貿易協定が締結し、両国関係の益々の発展が見込まれている。トルコにはこの協定だけではなく、自動車、化学、精製業、電子、航空工学、宇宙工学などの分野でも韓国に奨励システムを適用する用意がある。トルコは韓国での認知度を高めるため、2012年5月から8月の間に開催されたヨス国際博覧会『EXPO2012YEOSU』に、800万ドル近くの予算をかけて1400平米のスペースをとり、「海と陸を融合させる国」というキャッチフレーズを掲げて参加した。このことからもトルコが韓国を将来有望な経済協力国と見ていることがわかる。また、トルコは2020年のEXPOにイズミルを候補地に挙げている。

韓国企業は中東やアフリカ、コーカサス方面での事業を共にするパートナーとして、トルコに白羽の矢を立てている。韓国にとってトルコは世界市場での競争力をつけるための良きパートナーとなってきている。

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