
海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICs、NEXT11、VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら)
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鉄道網が発達していないタイにおける最大の人員輸送手段はバスである。タイ運送事業者協会によれば、2012年におけるおける同協会の加盟事業者は約300社、所有する長距離バスは1万台にも上る。2012年は金環食ブームと合わせてツーリストのゴールデンイヤーと呼ばれており、政府はインラック首相の指示のもと、長距離輸送事業者や旅行産業事業者に対して、合法的な認可を進めるとともに法に基づく基準達成を促進する運動を展開している。 |
後を絶たない長距離バスの事故タイでは長距離バスの交通事故が後を絶たない。バスによる事故は年に1,000件を超える。主な原因には、バスの整備不良、危険運転、悪路、悪天候などがあげられる。長距離バスは、VIPから3等までバスの車体によってランク分けされている。タイ人に人気のVIPバスは座席数40の2階建てが一般的である。ペットボトルの水とパン(菓子)が配られ、夜中に停車する休憩所での食事が一食無料になる。バスにはトイレがあるが清掃は全く行き届いていないし、また休憩所の食事は非常に粗末だ。加えて600~1,000㎞を夜通し走る夜行バスの運転は危険極まりなく、死亡事故も多発している。決してコンディションは良くないのだが、現在の交通事情では長距離バス以外に選択肢がないのである。 |
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高まる良質な長距離バスの需要
数少ないながら良質のサービスを提供するバス会社もある。車両は安定感のある1階建であり、安全運転が心がけられている。他のバス会社に比べると料金が30~50%ほど割高だが、タイ人にも大人気で、チケットも前もって予約しないと手に入らない。外国人や所得のあるタイ人もバスを使わざるを得ない事情ゆえ、割高でも安全なバスに流れるのは自然なことだろう。それでも安全が後回しにされるタイの市場では、まだまだこうした良心的な事業を展開しようという事業者は少ない。因みに一回のバス運行における収益の試算をしてみると次のようになる。ドル箱のバンコク~チェンマイ間、距離は約600㎞、運賃は約900バーツ(VIP)と仮定する。運賃収入は36,000バーツ。ディーゼル燃料費が約4,700バーツ(燃費4㎞/ℓ、ディーゼル費31バーツ/ℓ)、ドライバーと添乗員1名の人件費が800バーツ、軽食、水、食事券などが約1,500バーツで、経費の合計は7,000バーツとなる。法人税30%を差し引くと、単純粗利は1回の運行当たり20,300バーツである。勿論毎日走るので、一カ月の利益は610,000バーツ(約160万円)となる。 |
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| ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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| エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
| 対応言語 | 340 言語 |
| エキスパート | 14,369 名 |
| 海外提携企業 | 421 社 |