クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第89弾 – トルコ 2013年02月19日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第89弾 – トルコ 2013年02月19日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

トルコのエアコン事情

気候温暖化の影響

トルコでクーラーと言えば地中海地方などの暑い地域にしかなかったので、イスタンブールでは、数年前までは自宅にクーラーが必要だと考える人は、ほとんどいなかった。ところが最近は「必需品だ」と言う人も現れるほど夏の暑さが厳しくなってきている。昔は本当に寝苦しいのはほんの数日で、いくら昼間が暑くても夕方には暑さがスッと引くのが普通であった。ところが数年前から熱帯夜になる夜が増え、湿度も高く、クーラーとしてのエアコンの売り上げが急増している。

トルコのクーラー市場

SKID(空調冷暖房製品製造者組合)の発表によると、2010年にトルコでセパレート型エアコンが72万5千台出荷された。この前年までの世界的不況で売れずに倉庫にストックされていたエアコンも取り付けられたとすると、この数字以上のエアコンが取り付けられたと考えられる。しかもこの大部分は「Aランク」と称される省エネルギー型のものだった。最近ではインバーター・タイプのハイテクを駆使したものの需要も増えており、2009年ではこのタイプは全販売数の14%だったのが、2010年には20%になっている。
トルコのエアコン生産は50年以上前にアラルコ(Alarko)という会社が始めており、1998年からは世界的な空調器機製造会社のCarrier社と提携している。アラルコ社は当時1億1千万ドルだった売り上げを10年後には2倍にし、現在の市場シェアは20%ほどになっている。その他幅広い家電生産を行っているトルコのメーカー、アルチェリック社も韓国のLGと1999年より合弁会社を立ち上げており、広い販売網とアフターサービスを武器にして国内シェア50%を誇っている。その他トルコのエアコン生産メーカーにはトルコ家電メーカーのヴェステル(Vestel)社などがある。輸入品では日本の三菱のものも品質の高さが評価されており、高級集合住宅の建設会社などと組んでいるので、市場シェアは25%ほどである。最近ではエアコンを標準設備にしている新築住宅も増えている。

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世界市場への進出

現在トルコでは年間150万台ものエアコンが生産されており、2011年の輸出額は1億8千6百万ドルであった。2012年前半だけでもこの額は2億2千万ドルに近づいており、ヨーロッパではスペインイタリアに次いで第3位である。輸出先はヨーロッパ旧ソビエト連邦のトルコ系共和国や中東諸国となっている。上記のアルチェリック社などは50カ国にも輸出している。
日本のダイキンもトルコで生産台数第2位だったエアフェル社を買収し、トルコ国内販売だけでなく、輸出にも力を入れる模様である。

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