海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICs、NEXT11、VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら)
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タイの水道水は飲用不可である。家庭用の飲料水は、浄水を販売する業者から定期的に配達してもらうのが一般的である。1リットル入りペットボトル20本入りのケースで日本円にして約100~150円と、家計に影響が及ばない廉価で提供されている。タイの水道水は、バンコクであれば首都圏水道公社、それ以外の県では地方水道公社が管轄している。水道水が飲料に適さない理由としては、浄水技術によるものと、水道管の劣化による異物の混入、自宅に設置されているタンクの汚染などが挙げられる。また、水道管の劣化による地表への漏水は非常に増えている。JICAによる技術支援の中で、2012年には東京都水道局がバンコク首都圏水道公社と無収水対策に関わる覚書を交わしている*1。しかしタイの水道公社の無収水対策に対する意識は低く、漏水が発生しても1週間以上修理に来ないということも少なくない。 |
人気を集める家庭用浄水器そこで近年、一般家庭の人気を集めているのが、家庭用の浄水器である。都市部では核家族化による世帯数の増加、家族の健康に対する関心の高まり、2011年の洪水以降、安全な水の供給への関心が高まったことを背景に、浄水器の普及を促進しているようだ。主要なメーカと販売状況は次の通りである。Amway(Thailand) 社は独自のネットワークを生かして50%のシェアを誇っている(自社発表)。Coway(Thailand) 社は韓国に本社がある世界的な浄水器メーカーである。2011年のタイ市場シェアは約3割であり、現在でも人気は断トツである。ホームセンターの浄水器売り場には同社の製品がメインで陳列されている。プロモーションには韓国の有名タレントがタイアップされており、タイ人の韓国人気も成長に寄与しているようだ。Mazuma(Thailand) 社もよく知られたブランドであり、逆浸透(RO)に定評がある。2011年の売り上げは約1億8,600万バーツ(約5億2千万円)であった。他にはH2O Life Source (Thailand) 社、The Signature Brand社、(Thailand) 社などが挙げられる。どのメーカも価格帯は4,000バーツ(約11,000円)から20,000バーツ(約56,000円)が主要レンジで、特に人気があるモデルは1万バーツ(約28,000円)前後の商品である。 |
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躍進するタイの浄水器市場タイの浄水器市場はAmway(Thailand)のリサーチによると約37億バーツ(約103億円)である。各社とも引き続き5~8%の成長を見込んでおり、2013年の市場は40億バーツを超える可能性がある。加えて世帯数は10年前に比べて11%増の約1,998万5千世帯で(2011年統計局)、毎年平均約25万世帯増加している*2。世帯数の増加は、家庭用浄水器の市場の拡大を意味している。昨今のタイ人消費者はコストパフォーマンスを重視するようになり、このタイ人の感性を満たすメーカーがタイ市場において躍進していくだろう。 |
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ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |