海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICs、NEXT11、VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら)
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広がるドラッグストアデリー、ムンバイ、バンガロール等のインド主要都市のショッピングモールや住宅地において、近年急速に店舗数を伸ばしているのが、化粧品や日常生活用品を扱うドラッグストアである。香港に拠点を持つデイリーファーム(Dairy Farm)と、南インド・バンガロールに本社を持つアルコ(Arko)の合弁企業であるヘルスアンドグロウ(Health and Glow)は、1997年の設立以来、南インドを中心に成長を続け現在では79店舗を展開しており、ニューリッチ層の台頭するインドにおいて着実に成長を遂げている業種の一つと言える。“Buy 1, Get 1 Free.”(1つ購入すれば1つ無料)といったカラフルな広告の目立つ店内には、欧米のスキンケア、ヘアケア用品や中国製の美容関連グッズ等が整然と並べられているほか、インド製のオーガニック製品、アーユルヴェーディック製品も手に入る。また、ダイエットサプリメントや栄養ドリンク等、数年前まではインドの市場ではほとんど見かけなかった製品も並んでおり、若い女性を中心に賑わっている。 |
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個人商店の奮闘一方、化粧品や装飾品等を扱う個人経営の小規模店舗も中間層を中心に根強い人気を保っている。店舗数も利用者も数はこちらのほうが圧倒的に多く、ビンディ(女性が額に施す装飾。本来は顔料を使っていたが、近年はシールで代用する女性が多い)やヘナパウダー(髪を染めたり手足に装飾を施したりする際に使う天然植物性染料)、ヘアケアやスキンケアに使う天然のオイル等、伝統的なインド人女性の身だしなみには欠かせない商品が店内に所狭しと並んでいる。宗教的な祭事の前には、祭事で使う紐、色粉などがずらりと並ぶなど、庶民の生活に密着する小規模店舗は、一般的なインドの人々にとって身近な存在である。店内を見渡すと、特徴的なのは10mlサイズの洗顔料や、数ルピー分の小分けシャンプー等が多いことで、購買力の低いBOP(Bottom Of Pyramid)層が顧客ターゲットに含まれていることがうかがえる。マニキュア1本を比較してみても、ドラッグストアでは外国製品が1本100~500ルピー(約180~910円。1インドルピー=1.8円)であるのに対し、個人商店では10~50ルピー(約18~90円)程度の商品が主流であり、店頭ではひとつひとつ手に取りながらあれこれと試し、カウンター越しに店主と値段交渉をしながら購入する女性の姿が見られる。 |
変化するライフスタイルこのように、両者の品揃えや客層を見ると、消費者の経済力、ライフスタイルがそのまま訪れる店舗の選択に直結していることがわかる。女性の社会進出の増加や、ライフスタイルの欧米化、中間層の購買力の高まり等により、ドラッグストアの需要は今後も確実に伸びていくと思われるが、日本のように個人商店が街角から消えていく日はまだまだ遠く、立地や対象顧客に応じて両者の棲み分けが進んでいくものと思われる。 |
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ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |