クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第95弾 – トルコ 2013年05月22日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第95弾 – トルコ 2013年05月22日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

イスタンブールの住宅事情

世界で最も物価が高い都市の中で79位にランキングされているイスタンブールに住むには、高い不動産価格を覚悟しなければならない。中でも地価は現在上昇中で、いくつかの地区では目が飛び出るほどの値がついている。それにもかかわらず、不動産価格の上昇は止まることを知らない。ヨーロッパやアジアでは地価が下がっていっているのに、トルコは数少ない地価が上昇している国のひとつである。

次々と建設される集合住宅「スィテ」

イスタンブールの中心地にはもう新たな住宅を建設する土地はないので、新しい集合住宅は必然的に郊外に造られる事になる。最近は新聞の日曜版の広告の半分以上が、新しい集合住宅の広告で埋め尽くされている。テレビを見ていても状況は同じである。1999年のマルマラ大地震以降、こういった郊外型でゼネコンが建てたスーパーマーケットから幼稚園、レストランを備えた集合住宅「スィテSITE」に引っ越す人が増えているのである。ほとんどが公共交通機関がなかったり、あっても本数が少なく、マイカーだけが頼りという立地条件にもかかわらずである。イスタンブールで2012年内に竣工予定のスィテは90で、合計3万3千件の住宅が完成する。このうちの54スィテ、2万件がヨーロッパ側に集中している。
 このような郊外型の大型集合住宅が次々と建てられている理由としては、中心街に子どもが遊べる公園などの緑地がないことが挙げられる。最近のトルコ人はほとんどがマイカーを所有しているのに、中心街では駐車スペースがないというのが大きな原因だろう。大型ショッピングセンターも郊外に多数できており、車でなければアクセスできないところが多い。こういったスィテに住み、大型ショッピングセンターに車で行き、子どもはスクールバスで学校を往復するとなると、当然運動不足になる。それを解消するためにスィテ内にはプールやスポーツクラブが設置されている。

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中心地の再開発

郊外型の大型住宅が次々に建設されている一方、中心街に程近くスラム化していたり、以前は工場地帯だったのが移転して空き地になっていたところが再開発されている。そういうエリアには従来なかったワンルーム+キッチンリビングのスタジオタイプや、コンパクトなフラットが登場している。都市生活者の住形態も昔の大家族制から核家族型、少人数制に変わってきた証拠である。

スィテの価格

お値段のほうであるが、宣伝力のある大手ゼネコンの「アアオウル・Ağaoğlu」が建てたイスタンブール中心から40キロ離れた「My Town Ispartakule」の2部屋1リビングが400.000トルコリラ(約1,800万円)、同社のこれから建築予定の中心街から20キロの「Maslak1453 」では同じようなフラットが760.000トルコリラ(約3,400万円)。東京と比べると手ごろに感じるが、トルコの給料水準からするとかなり高い住宅である。それでも売れ続けるのはイスタンブールのスィテに対して国内外の投資家たちも注目しているからであろう。

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