クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第99弾 – インド 2013年07月26日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第99弾 – インド 2013年07月26日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

住宅購入ブームに見るインド都市部

開発の進むインド南部バンガロール郊外では、幹線道路沿いに高層アパートの建設が続き、最近では新聞に新築アパートの広告を見ない日はない。2011年の国勢調査によると、インド全土の住宅戸数は2億3600万戸で、2001年より約32%増加しており、新規建築戸数は年間200~300万戸と言われている。価格帯は、500万ルピー(約930万円。1円=0.54ルピー換算)以下の中間層向け住宅、500万ルピー以上の富裕層向け住宅に分かれ、高価な物件では1億円を超える物件も珍しくはない。また、超富裕層向けには郊外に数億円のゲーテッド・コミュニティー(門や塀により住宅地を囲い外部と遮断することで防犯性を高めた住宅地)も開発されている。

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住宅ブームの背景

背景には都市部の人口増加、中間層の所得向上がある。購買意欲の旺盛な中間層の都市部への流入は住宅マーケットの大きな起爆剤となっている。また、富裕層による投資目的の住宅購入も大きな要因である。この場合、資産価値のある新規住宅の販売情報を手に入れ次第、物件を購入し、数年後の値上がりを待って転売するケースが多く、優良物件は販売開始時点では既に完売していることが多い。今年(2013年)に入り政策金利の引き下げが続いていることも富裕層の投資促進に拍車を掛けている。不動産サービス大手のC&Wインディアと、国際不動産研究所によると、国内主要都市だけでも2015年までに130万戸の住宅が不足するとの予測もあり、この流れは今後も加速していくものと思われる。

インドの都市問題

このようにインドの経済成長を象徴するかのような住宅マーケットの成長であるが、一方で、インド都市の抱える問題もまた、住宅事情から透けて見える。深刻な電力不足、未だ分別の進まないごみ問題、慢性的な渋滞、水不足等である。無計画な開発によって周辺の環境を損なったり、居住する住宅により階層間で断絶したりすることなく、そこに住まう人々の生活を包括的に豊かにするような都市開発が今後期待される。

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