クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート 第102弾 – UAE:アラブ首長国連邦 2013年10月07日

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クロスインデックス現地調査員による新興国19カ国レポート
第102弾 – UAE:アラブ首長国連邦 2013年10月07日

新興国19カ国レポートについて

海外調査や海外進出、海外出張などを検討しておられる企業の方々を対象に、クロスインデックスの現地調査員からの情報を元に掲載しております。
BRICsNEXT11VISTAなどのキーワードで取り上げられ、注目されている新興国のうち、中国、韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデッシュ、パキスタン、ロシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、UAE、エジプト、トルコ、南アフリカ、ナイジェリアなどの国々を対象としております。(国別レポート一覧はこちら

ドバイ首長国(UAE:アラブ首長国連邦)の大気汚染と屋内の空気清浄事情

大気の汚染と健康への影響

ここUAEでは大気汚染が深刻な問題となっている。その大気汚染の主な原因は、急速な都市建設に伴う埃やちり、車や飛行機の排気ガス、工場などからの煤塵、それに元の自然の砂埃と言えよう。特に、3月半ばから4月にかけての春と、10月中旬から11月にかけての秋は砂嵐で空気中を舞う砂が空を黄色に変える。この間、青い空が顔を出すことはほとんどない。
こういった環境で生まれ育った多くの人々は、喘息などの慢性の呼吸器疾患に悩まされている。特に子供たちについては、例えば、ドバイ首長国の私立学校に通う生徒だけでも、約4,500人が慢性の喘息を患っていると言われている。また、水道水や飲料水のもととなる海水の汚染や、汚染された海からの海産物は、がんの発症にも大きく関係している。2012年2月の発表では、大気汚染が原因とされた病気による、年平均の若年層の死亡者数は約650人とされている。

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屋内の空気について

外気がこのように汚染されていることもあり、ここUAEでは、学校や病院、会社などはもちろん、家庭にしても、窓を開け放すことは少なく、ほぼ年中エアコンを使うところが圧倒的に多い。
そうなると、気になるのは屋内の空気がどれくらいきれいに保たれているかである。

実際、国民のみならず、外国(特に欧米)から駐在員として来ている人たちの懸念材料として、飲料水の次に、室内の空気の汚れがよく挙げられている。そう頻繁に窓を開けることがないのだが、それでも部屋の中や床の上のあちらこちらには、毎日目の細かい砂の粒子が堆積しているのが見える。空気清浄機自体はまだあまり普及しておらず、見かけることは少ないのだが、現在見られる空気清浄機は、16平方メートル(約10畳)から20平方メートル(約12畳)くらいに対応するもので1台650~950ディルハム(約17,570~25,700円。100円=3.7ディルハム換算)で、日本のものに比べると種類も少なく、割高感が否めない。また、一部屋は大抵その対応サイズより広いことが多く、きちんと機能しているかどうかも疑問である。それと同時に、空気清浄機や空気清浄機能のついたエアコンを取り扱っているところ自体が少なく、定期的に取り替えなければならないフィルターを手に入れるのも容易ではない。

現在の環境と付き合うために

現在の大気の汚染されたこの環境の中、行政はまだこれと言った大きな予防策を採っているようには見えない。国民の健康被害については、行政も乗り出して、さまざまな援助を行ってはいるものの、国の人口の大多数を占める外国人居住者に対しては、何ら対策はとられていない。新興国であり、あらゆるところで各種インフラ整備が行われているので、行政も工事の中止や延期などは極力避けたいと考えている。そのため、この大気汚染が拡大していく中、個人で自分自身を守ることを考えなければならない。大気汚染による健康被害の予防策として、室内での影響を抑えるための、より性能が高く、取り扱いが簡単な空気清浄機の普及が待ち望まれている。

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